副社長は輝きを秘めた彼女を暴きたい


「おし。それじゃ始めますか。この色地毛じゃないよね?」

わ、わかるんですね。

「あ、はい。地毛は茶色です」

「なるほど。仕事的には染髪オッケー?」

「あ、はい。全く」

うちの会社はなんの決まりもない。
そもそも私服だし。
金髪やピンクもいる。
ちなみに金子くんは青だ。

仕事さえできればいいという考えらしい。

「ほぉーん」

そう言って大地さんはまた先輩を見た。
先輩はソファに座って仕事でもしてるのかタブレットを操作して何やら真剣な顔をしている。

「せっかくだから、大変身して絃くん驚かしてやろ」

いや、絃先輩を驚かせる意味がわからんて。
すると先輩がこちらを向いた。

「大地、わり。ちょっとだけ那智置いてく。会社行くわ。終わったら連絡して。迎えくるから」

そう言って私に名刺を握らせて行ってしまった。

そして入れ替わるように今度は金髪の美女が入ってきた。
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