副社長は輝きを秘めた彼女を暴きたい


「うっそ、嬉しい! 話した事なかったもんね」

そりゃそうやろ。

「へぇー。あの絃がねぇ」

ニヤニヤと何か笑っている。

「あの、絃先輩とは…」

「ああ! 血は繋がってないけど親戚なの!」

親戚!?

「あれ? 知らない?」

「知らない知らない!」

「あ、そうなの? それに維織と皆んなで言ってたんだよ? 那智ちゃん綺麗だって!」

「は、初耳です」

すると美空ちゃんは大地さんを驚いた顔で見る。
大地さんもコクッと頷いた。
そして美空ちゃんはまたニヤっとして私を見た。

な、何!?

「那智ちゃん。私にも手伝わせて? こう見えて私もトップスタイリストなの」

美容師さんになったんだ…。
すごい…。

そしてこんなイケメンスタイリストの旦那さんがいるのか。

それにしても美空ちゃんて可愛い。
どこからどう見ても美女だ。

「かわいいー」

溢れるように私の口から言葉が出てしまった。

「だよなー。可愛いよなー」

すると大地さんが続く。
おいおい。
客の前だぞー。
のろけんなー。
そんな大地さんがおかしくて笑ってしまった。
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