副社長は輝きを秘めた彼女を暴きたい
笑った私を見て一瞬、二人が止まった。
「そうやって前向いて笑ってた方がずっといいよ。那智ちゃん」
美空ちゃんがニコニコとそう言えば、大地さんもコクコク頷いている。
この夫婦、素敵だ。
「あ、ありがとうございます」
そして美空ちゃんも加わり、二人で私を改造していく。
その間も二人の会話を聞いているだけで私まで楽しかった。
もう何年も自分の殻に閉じこもっていたから。
こんな風に笑ったのはいつぶりだったかも思い出せない。
もしかしたら初めてだったかもしれない。
「あのさ、せっかくだしメイクもしていい?」
大地さんが言い出した。
今の私は日焼け止めを塗っただけのすっぴんだ。
私はコクっと頷く。
「それじゃ私、ヘアセットするー」
そう言って美空ちゃんが私の髪を巻いて、大地さんがメイクをし初めた。