副社長は輝きを秘めた彼女を暴きたい
俺はその足でまた奏翔がいるBAR『slow』に戻った。

「あれ? どしたん」

奏翔が不思議そうに聞いてくる。
カウンターを覗けば、丈慈(じょうじ)と大河(たいが)もいた。

こいつらは俺のイトコだ。
ちなみに、丈慈の妹が翠で、大河の妹が美空だ。

丈慈は少し前に元華道家の天音ちゃんと結婚した。

「いや。イかなかった…」

俺はカウンターに座って頭を抱えた。

「は?」

丈慈が呆れた顔で見る。

「ショックだわ…」

コトっとまたノンアルのビールを奏翔に出された。

「何お前、ついに勃たなくなったんか?」

大河が笑ってる。

「え? 那智ちゃんと?」

奏翔が驚いた顔して聞いてきた。

「は? なわけねぇだろ」

俺はギロっと睨んだ。

「那智って?」

大河が聞く。
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