副社長は輝きを秘めた彼女を暴きたい
そして俺は後日懲りずに再チャレンジした。

「はぁー」

「絃ー。何回目? ため息」

奏翔がグラスを拭きながら哀れんだ目をして俺を見ている。

「ありえねぇ。なんで? 病気か? 反応もしなかったぞ遂に。働き過ぎか?」

「なぁ。お前、諦めたら?」

「何をだよ」

「他に本気で抱きたい女いるんじゃねぇの?」

「帰る」

俺はバンと金を置いて店を出た。
背中で奏翔が笑ってるのを聞きながら。

奏翔に聞かれた時、真っ先に那智が頭に浮かんだ。
なんでだよ…。

絶対手出したらダメだ。
あんな純真無垢な女。

そういえばアイツ、会社は大丈夫だったのか?

また何か言われて馬鹿にされたとか思って泣いたりしてねぇよな?

ダメだ。
気になりすぎる。
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