副社長は輝きを秘めた彼女を暴きたい
「泣くな、泣くな。悪かった怖がらせて」

俺は見てられずつい抱きしめてしまう。
あやすように頭をぽんぽんと撫でる。
本当に小さい。
すっぽり収まる。

「怖かった…今のが絃くんじゃなかったら本当に…」

「ああ。何かあってからじゃ遅い。とりあえず今日は家泊まれ。部屋空いてっから」

「いいの? 私彼女じゃないけど」

そうだった。
俺そんな事話したんだった。

「大丈夫。気にしなくていい。あれなら維織も呼ぶか?」

那智は首を振る。

「もう遅いし、いい。絃くん、今日お世話なります」

「ああ。そうしろ。とりあえず2、3日分着替え持ってこい」

那智は頷くと、物凄いスピードで動き出した。

こいつのろまそうだけど、さっきも空手してたとか言ってたしやっぱり割と動けるタイプか?

なんか知れば知るほど…
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