副社長は輝きを秘めた彼女を暴きたい

「純粋に凄いなって思った。知ってる人が頑張ってるの知って。努力してるんだろうなって。レジデンスとかのデザイン本当にオシャレだよね！　なんか独創的でオリジナリティに溢れてるし」

てっきり見た目だけ褒められるのかと思ったら、那智は仕事の方の話をする。

「家ってさ、帰る場所じゃん。一日外で働いて帰ってきた時、家の空間に癒されるのって素敵だよね。そういうのを作り出す仕事をしてるなんて本当に尊敬する」

仕事の話しは那智とした事ないのに、俺の思想を読み取ったかのように話しだし驚いた。
それと同時に、なんだか急に照れ臭くなってしまう。

「那智もだろ。プログラマーなんて、努力以外なりたたねぇだろ」

那智はハッと息を飲んだように肩をあげた。

「そっか…。なんか当たり前になってて。私も努力してたのか」

「してるだろ」

「なんかね、世の中から取り残されちゃったって感じてたんだよね」

「そんな事ない。今は絶賛ファッションの勉強中だろ？」

ニッと笑ってやる。

「うん。ははは」