副社長は輝きを秘めた彼女を暴きたい
「風呂は?」

「もう入ったよ」

「そか。俺入ってくるわ。もう寝る? 部屋こっち」

そう言って、空いてる部屋を案内する。

「維織がたまに使ってる部屋で悪いけど。シーツは新しいから」

「全然。ありがとう」

那智は俺を見上げる。
目と目が合うと、その綺麗な瞳に吸い込まれそうになる。
いかん。

「ん。今日は怖かったろ。ゆっくり休めよ」

ポンと頭を撫でる。

「うん。ありがとう。おやすみなさい」

那智はふんわりと笑顔を向けた。
良く笑うようになった。

「おやすみ」

俺はシャワーを頭から被る。
どうなってんだ。
なんでこんな事になった?
心配過ぎてこんな所まで連れてきてしまった。

そしてさっき再チャレンジした時はビクともしなかったのに…

"本気で抱きたい女がいるんじゃねぇの?"

奏翔に言われた言葉を思い出す。

クソっ。
ちげぇ。そんなんじゃ…

これじゃ俺が一番危険な奴じゃねぇかよ。

一気にシャワーを冷たくする。

はぁーつめてぇー。
滝行だこれは。
煩悩を振り払うようにしばらく浴びた。
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