副社長は輝きを秘めた彼女を暴きたい
那智は、俺が携帯を触ってるのを見てか、バッグから本を出して読み出してるし。

ははは。
変わってねぇな。

この空気感落ち着くんだよな。
店内はランチ時でガヤガヤしてるのに。

俺は携帯をしまって、本に夢中になる彼女を見ながら注文の品が来るのを待つ。

お。きたきた。

「那智」

那智は名前を呼ばれて顔をあげると、運ばれてきた料理に気づいてパタンと本を閉じて、ニコっと俺を見て笑って、テーブルの真ん中に置いてあった水を端に寄せた。

そこにお皿が置かれる。

「美味しそう!」

俺は小皿に那智の分を取り分けて渡した。

「え? 私の分だったの?」

「ん。ほら、食おう」

なんだよその反応。
いちいち可愛いく見えるのは何でだ?

「ありがとう! いただきます」
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