君との約束
悠のスマホに唯から着信が入る。
「もしもし、悠さん?」
「もしもし、キヌコさんこんばんは今帰り?」
「はい、雅社長とごはん行って来たんです」
「そうなんだ」
「悠さんは何してるんですか?」
「俺は、曲創ってた」
「新曲ですか?」
「う……うん。まあね……」
「邪魔してますね、私」
「そんなことないよ。それより、次回作も
季里也との共演なの?」
「はい、なんか、もう周りから二人セット
扱いされてて」
「でも、お似合いなんじゃない?」
と悠が少し意地悪に言った。
「ひどいな~悠さん。そんなこと言って」
「ごめん……
今のは ほんのヤキモチだよ」
悠の言葉を聞いた唯。
「今度、悠さんに会えるのはいつなのかな?」
と呟いた。
「お互いに仕事が落ち着けば、会えるさ。
ねぇ、その時はキヌコさん」
悠がだまった。
唯は、「悠さん? 何?」と聞き返した。
悠は唯がそう聞き返すことの予想はついて
いた。
「はぁ~キヌコさん、相変わらずだね。
その時は、俺の部屋に泊まってね
ってこと、その意味はわかるよね?」
と言った。
悠の言葉を聞いた唯、
「あ~、そういうことなんですね」
と小声になった。
唯が動揺してるのを理解した悠、
「今のは冗談、無理しなくていいいから。
でも、俺はいつでもいいよ。
キヌコさんの覚悟が出来たら
教えてね。そろそろ寝なよ」
「悠さん、ありがとう。おやすみなさい」
「うん、おやすみ。キヌコさん」
二人は電話を切ると、悠はギターを片手に
曲作りを再開した。
唯も台本に目を通し始めた。
こうして夜は過ぎていく。
なかなか会えない二人に更なる
出来事が待ち受けていた。