君との約束
 唇を重ね合う二人、
悠は唯の首の後ろに手を添えると
彼女を優しくソファーに押し倒した。
 
 唯が悠を見上げ、悠も唯を見下ろす。
 そして、互いの唇を重ね合う。
 悠の唇が唯の首筋にゆっくりと移動する。
 唯は悠を感じながらゆっくりと瞳を閉じた。

 悠は、唯から離れ彼女をゆっくりと抱き起こし、
 「唯、向こうに行こう……」
 と囁くと彼女の手をとり寝室に入って行った。

 空の色が、暗闇から薄紫色に変わる頃、
悠の隣で眠っていた唯が目を覚まし、
ベッドから起き上がる。

 窓から見える明け方の景色、
唯の後ろから彼女をそっと抱きしめる悠。

 「悠さん……私、もう何があっても
大丈夫ですから……」
 と悠に抱きしめられた腕の中で唯が言った。

 「うん。俺も、キヌコさんから
パワーもらったから頑張れるよ」

 「あ~悠さん、また『キヌコさん』呼びに戻ってる。
 せっかく『唯』って呼んでくれたのに」

 「仕方ないだろ、戻っちゃうんだから」と笑う悠。

 「じゃあ……」
 「ああ、気をつけて」

 ガチャン……。
 唯は悠の部屋から帰って行った。


 この日……

 『独占!スクープ!』と大きく書かれた
『酒井季里也 YUI 熱愛』
 の記事が掲載された週刊誌が発売された。

 メディアは一斉にこの記事に関する
ことを報じたのだった。
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