君との約束
第五章

『RAIN』との対談

 今日は、『RAIN』と『YUI』の
スペシャル対談収録の日。
 
 控室にいるリーダーの友は超緊張気味、
 「どうしよう。俺、緊張する」
 いちファンとして、この日を待ちわびていた彼。

 それを面白がって見ている翼、良、心。

 一人離れてスマホをさわる悠、

 スタッフが五人を呼びに来た。
 五人は、セットが組まれたスタジオに向かう。

 同じころ、唯もスタッフに案内されスタジオに入る。

 「『RAIN』の皆さん入りま~す」
 「YUIさん入りま~す」
 とスタッフの声がスタジオ内に響く。

 パチパチパチと拍手で迎えられる『RAIN』と『YUI』。

 案内された席にそれぞれ着席をした。
 プロデューサーから、対談の趣旨の
説明を受ける六人、司会を務めるアナウンサーが、
質問の内容を細かく確認する。

 そして、収録が始まった。

 「それでは、今回のスペシャル対談。
 テレビの前の皆さんが待ちに待った
対談ですよ~、ご紹介します。
 国民的アーティスト 『RAIN』の皆さん
そして、恋人にしたい、ナンバーワン女優の
『YUI』さんです」

 「皆さん、こんにちは『RAIN』です」
 と友が言うと悠、良、心、翼が一緒に会釈をした。
 
 「こんにちは『YUI』です」と会釈する唯。

 司会者が話を始める。
 「今回、対談は初めてということですが」
 「そうですね。対談形式は初めてですね」
 と友が言った。

 「マネージャ―さんからの情報によると
YUIさんは、最近『RAIN』の曲を
よく聴かれているそうですね」
 司会者が唯に質問をした。

 「はい、以前 私の初主演映画の主題歌を担当して
いただきまして、それ以来聴かせていただくように
なりました」

 「『RAIN』のライブとかには行かれたことは
ありますか?」

 「はい。二度程行きました」
 その場にいた『RAIN』のメンバーやスタッフも
唯の発言に驚く。

 「驚きですね、そうなんですね。
 ちなみに『RAIN』の皆さんはこのことは
ご存知でしたか?」

 「いえ……初耳で、驚いてます。
 ちなみにいつ頃来られたんですか?」
 と翼が質問する。

 「私が芸能界に入る前に一度、
そして、最近では数日前ですね」

 「え~驚きですね。YUIさんが僕たちののライブを
見に来てくれてたとは、本当に驚きまし」と心が言った。

 「はい。見つからないようにこっそりと」
 と唯が笑う。

「ちなみに……どなたと一緒に?」
 と司会者が唯に聞いた。
 
「私の親友です。もともとは彼女が『RAIN』さんの
大ファンでそれでライブに誘われて……」

「そうなんですね。ありがとうございました」


「話を元に戻しますが、 YUIさんの主演映画といえば
『夏の終わりに……』大ヒットしましたね。
 そして、この映画の主題歌といえば、
大ヒット曲の『夏の雨』になりますが、
 映画の主題歌に楽曲を提供されたのは
はじめてと伺っていますが。
 この曲を手掛けられた悠さん、いかがですか? 
 この曲への思い入れなどありましたら
お聞かせください」
 
 友の隣に座る悠は司会者を見ると、
 「そうですね、今言われた通り、
 『RAIN』にとっても初めての映画の主題歌だったので、
この曲で映画の場面が浮かぶようにと思い創りました」

 「本当に素敵なラブソングですね」

 「ありがとうございます」

 「悠さんは、何を思ってこの曲を創られたんですか?」

 「何を思って……?
 それは、やはり好きな人だったり、大切な人だったり、恋人だったりじゃないでしょうか?
 ずっと一緒にいたい的な……」
 
「そうですか。本当にいい曲ですね。
 ありがとうございました」
 
 司会者は次々に『RAIN』のメンバーに質問をしていく。
そして、唯への質問と移る。
< 43 / 91 >

この作品をシェア

pagetop