君との約束
第七章
『失恋感』って……何?
悠と唯のPV撮影が終わり一か月が過ぎた頃、
PVのデモテープが雅の手元、
そして、悠の所属事務所にも届いた。
「いいんじゃない」と絶賛する雅。
「そうですね。これはいいですね」
と田代も満足そうに言った。
「あれでしょ? 悠君の新曲ポスター、
数量限定で、唯とのツーショットを製作したんでしょ?」
「はい。スチールカメラマンと担当した映像監督からの
提案だそうです。
宣伝用と、特典用だそうです。
そして、発売日当日は、オーロラビジョンに全面に広告が出ます。
六十秒のショート版のPVです」
「そう、それは楽しみね。世間の反応も楽しみね」
と雅が微笑んだ。
悠の事務所ではデモテープを観る『RAIN』五人。
「え~凄いじゃん、悠 何これ」
と翼が悠の顔を見て言った。
「ありがとう。でも、翼と良と心のユニットのPVも
物凄くよかったよ。
これぞ、おまえら三人って感じで……」
「ありがとう。悠に言ってもらえると自信つくよ」
と心が言った。
しかし、一人だけ浮かない顔をするヤツがいた。
『RAINのリーダー友』
翼と良と心が心配そうな顔で友を見つめた。
友が悠に向かって、
「悠~、おまえは凄い! なんだこの曲……
俺、感激したよ。それに、何だこのPV何だ俺の……
この『失恋した感は』
悠、畜生~、俺はおまえに負けたのか?
YUIちゃんを……おまえに~」
と友が悠の両肩を掴むと前後に揺さぶった。
「ちょっと、友……どうしたんだよ?
『失恋感』って何だよ?」と悠が聞いた。
「それはだな」と言うと黙り込む友。
「それは、友は、たった今見せられた悠とYUIちゃんの
PVを観て二人の雰囲気に叶わないって思ったんじゃ
ないか?『野生のカン』ってヤツで」
と呆れ顔で翼が言った。
「ふたりの雰囲気って……」と悠が呟く。
「要するにそれだけ二人が素敵だってことさ
なぁ、そうだろ? 友……」
「……」横を向いたままの友、
「あ~あ、友 すねちゃってる」
と言うと良が友の頭を撫でて慰めた。
困り顔の悠、
「悠、社長が呼んでるぞ」
と江口が悠を呼びに来ると、
悠は、江口に連れられ部屋を出て行った。
口を尖らせたままの友、
「悠、おまえはYUIちゃんとのこと否定はしないん
だな~」と呟いた。
「友、何か言ったか?」
と良が友の顔を覗き込んだ。
「いや、何でもない。独り言だ~」
友はお茶ら気に言った。
PVのデモテープが雅の手元、
そして、悠の所属事務所にも届いた。
「いいんじゃない」と絶賛する雅。
「そうですね。これはいいですね」
と田代も満足そうに言った。
「あれでしょ? 悠君の新曲ポスター、
数量限定で、唯とのツーショットを製作したんでしょ?」
「はい。スチールカメラマンと担当した映像監督からの
提案だそうです。
宣伝用と、特典用だそうです。
そして、発売日当日は、オーロラビジョンに全面に広告が出ます。
六十秒のショート版のPVです」
「そう、それは楽しみね。世間の反応も楽しみね」
と雅が微笑んだ。
悠の事務所ではデモテープを観る『RAIN』五人。
「え~凄いじゃん、悠 何これ」
と翼が悠の顔を見て言った。
「ありがとう。でも、翼と良と心のユニットのPVも
物凄くよかったよ。
これぞ、おまえら三人って感じで……」
「ありがとう。悠に言ってもらえると自信つくよ」
と心が言った。
しかし、一人だけ浮かない顔をするヤツがいた。
『RAINのリーダー友』
翼と良と心が心配そうな顔で友を見つめた。
友が悠に向かって、
「悠~、おまえは凄い! なんだこの曲……
俺、感激したよ。それに、何だこのPV何だ俺の……
この『失恋した感は』
悠、畜生~、俺はおまえに負けたのか?
YUIちゃんを……おまえに~」
と友が悠の両肩を掴むと前後に揺さぶった。
「ちょっと、友……どうしたんだよ?
『失恋感』って何だよ?」と悠が聞いた。
「それはだな」と言うと黙り込む友。
「それは、友は、たった今見せられた悠とYUIちゃんの
PVを観て二人の雰囲気に叶わないって思ったんじゃ
ないか?『野生のカン』ってヤツで」
と呆れ顔で翼が言った。
「ふたりの雰囲気って……」と悠が呟く。
「要するにそれだけ二人が素敵だってことさ
なぁ、そうだろ? 友……」
「……」横を向いたままの友、
「あ~あ、友 すねちゃってる」
と言うと良が友の頭を撫でて慰めた。
困り顔の悠、
「悠、社長が呼んでるぞ」
と江口が悠を呼びに来ると、
悠は、江口に連れられ部屋を出て行った。
口を尖らせたままの友、
「悠、おまえはYUIちゃんとのこと否定はしないん
だな~」と呟いた。
「友、何か言ったか?」
と良が友の顔を覗き込んだ。
「いや、何でもない。独り言だ~」
友はお茶ら気に言った。