君との約束

二人の時間


 「そうか、葉月さんからそんなこと言われたんだ」
 と電話越しに悠が言った。

 「うん。葉月さんも涼さんも色んなことがあって
今があるって」

 「そうか。俺たちもいつか、『作品が互いを繋いで』くれるといいな」

 「うん。そうですね」

 「そして、いつかはキヌコさんとの約束、果たせれば
いいなって」

 「私も、悠さんとの約束、果たせればいいな」

 「キヌコさん体調は? 無理してない?」

 「大丈夫です! 元気いっぱい。
 それより、悠さんまだ、ツアー中ですよね?」
 「そう、今、九州の福岡のホテル」

 「九州か。美味しい物 食べましたか?」
 「沢山食べたよ。食べ過ぎるくらいに……
明日のライブ大丈夫かよってくらいに食べた」

 「いいな~羨ましい」
 「キヌコさんにもお土産買ってくるから」

 「ありがとうございます。
 でも、『お茶と最中』以外で……」
 と笑う唯。

 「はい はい 大丈夫だよ」と悠も笑った。
 
 二人の電話は夜遅くまで続いたのであった。
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