君との約束
第二章
新曲の完成
友と悠が撮影現場を見学した日から
一週間後の早朝、
「やった~。できた」と悠が言うと
天井を見上げた。
「ふ~、なんとか間に合ったな」
と友が安堵する。
「おい! おまえら起きろ。曲 完成したぞ」
と悠は、ソファーで寝落ちしている
心、良、翼を起こした。
目を擦りながら、
「友……悠……お疲れ様」と翼が言った。
心と良も起き上がると、
「二人ともお疲れ様でした」と呟いた。
新曲の音源を聴く五人、
「なんか、いいんじゃない?」
と翼が言った。
「短期間で凄いじゃん……」心が感心する。
「しっとりとしたラブソングだね」
良がうっとりとする。
三人の様子を見た友と悠。
顔を見合わせ満足そうに微笑んだ。
「この曲さ、作詞はどっちが書いたの?」
と翼が聞いた。
「今回は、作詞作曲は悠。俺が編曲した」
と友が言った。
「ふ~ん、この歌詞刺さるな~って」
翼が言った。
「え、どこ? どこ?」と心が聞く。
翼は、歌詞が書いてある紙を見せ、
「ほら、こことか、
『僕がここに来たのは、君の瞳を見たかったから。
君の瞳で僕を見つめてほしかったから』
いいよね~、ぐっときたよ。流石、悠だね」
と言った。
「今回は、ラブソングだったから……」
と悠が呟いた。
「映画の主題歌にぴったりだ」
と良が言った。
友と悠は、早速関係機関に新曲を聴いてもらい、
レコーディングの調整をした。
こうして、唯と季里矢の初主演映画
『夏の終わりに……』の『RAIN』が歌う
主題歌、『夏の雨……』が完成した。