恋はレモンのように
ひとみちゃんの分析リスト
「ひとみちゃん、あのさ、『恋』って
なんなんだろうね……」
「は? 夏どうしたの?」
夏の言葉に驚くひとみ。
「テレビや雑誌や小説にはさ、
甘くて、切なくて、甘酸っぱくて……
とか書いてあるじゃん。でも、私が思う『恋』って
なんか……こう……ちがうんだよね」
「何がちがうの?」
「ドキドキしたり、キュンキュンしたりで、
切なくないんだよね。それに甘いとかもない……」
それを聞いたひとみは、
「夏~、それはね、あなたが
本当の恋を知らないからだよ」
「恋を知らないから……?」
「そう。恋を知らないから。夏の場合は、
恋の手前の、そうだな~。『憧れ止まり』
なんじゃないのかな。それに今の夏は、
誰かを想うのではなくて、想われてる率が高いから」
「そんなんじゃないと思うけど……」
「まぁ、本人が自覚ないのは仕方ないか……
でも、夏、今あんたの周りにいる男性の中で
いないの? こう……印象が強めの人」
「う~ん。わかんない。例えば?」
「そうだね~。意表をついてくる
川内部長でしょ……」
「うん」
ひとみの『分析』が始まった……。
「強かな思いを胸に秘めた恭介君に」
「うん、うん」
「色々言いながらも、大人の魅力で
夏を包み込んでいる葉山先生」
「はぁ……」
「そして……」
「そして?」
「そして、ファースト・インパクト!
のように夏に衝撃をもたらしてる
矢上先生」
「はぁ~? ひとみちゃん、なんで
あの人がひとみちゃん分析リストに
入るんだよ……」
口を尖らす夏……。
「だって、出会いは突然……
ある日、突然恋に発展するものなのよ!」
「へぇ~、そうなんだ。ん?
でも、ない、ない。
絶対ない……。
いくら恋に詳しいひとみちゃんでも
それは、難しいかも。
こと私に関しては……」
と言い切る夏。
「はい、はい、わかりました。
でもね……ふふふ、これからの展開、
ひと波乱おきそうだな……」
と目を輝かせるひとみとは裏腹に
真剣に考え込む夏であった。
なんなんだろうね……」
「は? 夏どうしたの?」
夏の言葉に驚くひとみ。
「テレビや雑誌や小説にはさ、
甘くて、切なくて、甘酸っぱくて……
とか書いてあるじゃん。でも、私が思う『恋』って
なんか……こう……ちがうんだよね」
「何がちがうの?」
「ドキドキしたり、キュンキュンしたりで、
切なくないんだよね。それに甘いとかもない……」
それを聞いたひとみは、
「夏~、それはね、あなたが
本当の恋を知らないからだよ」
「恋を知らないから……?」
「そう。恋を知らないから。夏の場合は、
恋の手前の、そうだな~。『憧れ止まり』
なんじゃないのかな。それに今の夏は、
誰かを想うのではなくて、想われてる率が高いから」
「そんなんじゃないと思うけど……」
「まぁ、本人が自覚ないのは仕方ないか……
でも、夏、今あんたの周りにいる男性の中で
いないの? こう……印象が強めの人」
「う~ん。わかんない。例えば?」
「そうだね~。意表をついてくる
川内部長でしょ……」
「うん」
ひとみの『分析』が始まった……。
「強かな思いを胸に秘めた恭介君に」
「うん、うん」
「色々言いながらも、大人の魅力で
夏を包み込んでいる葉山先生」
「はぁ……」
「そして……」
「そして?」
「そして、ファースト・インパクト!
のように夏に衝撃をもたらしてる
矢上先生」
「はぁ~? ひとみちゃん、なんで
あの人がひとみちゃん分析リストに
入るんだよ……」
口を尖らす夏……。
「だって、出会いは突然……
ある日、突然恋に発展するものなのよ!」
「へぇ~、そうなんだ。ん?
でも、ない、ない。
絶対ない……。
いくら恋に詳しいひとみちゃんでも
それは、難しいかも。
こと私に関しては……」
と言い切る夏。
「はい、はい、わかりました。
でもね……ふふふ、これからの展開、
ひと波乱おきそうだな……」
と目を輝かせるひとみとは裏腹に
真剣に考え込む夏であった。