恋はレモンのように
夕食を終えた夏と矢上は、
片付けを済ませると、マグカップに
ブラックコーヒ―と牛乳と砂糖を入れた
カフェオレを手に持つと、ソファーに
座った。
「で? 夏は誰が好きなの?」
ドストレートに直球を投げつける矢上。
「う……ん……ってつ~か、なんで
矢上っちと恋バナしなきゃなんないの?」
「ちぇっ、感づきおって……それと、なんで
俺が矢上っちなんだよ」
「だって~、呼び捨てにするなって言ったじゃん」
「まぁ……いい、話は戻すけどさ、
いいか、俺が思うに……」
「うん、うん」
「夏の周りには、現在三人の男がいる」
「うん、うん」
「第一の男は、最初に見かけた
梶本恭介。あいつはモテるぞ!
男の俺から見ても一生女に不自由しない
と思う」
「うん、うん」
と頷く夏……。
「第二の男は、美術部部長の川内!
アイツは、意表をついた愛情表現が得意だ。
普段見せない顔を見せられた時のギャップに
女子は、萌えるだろう……」
「ほぉ~」
矢上の分析力に驚く夏。
「そして、第三の男は、我が従弟の
イケメン美術教師の葉山俊二!
彼は、大人の男だから、女子生徒とは言わず、
世の女性の標的になりやすい……
彼女になると、嫉妬に溺れるかもな……」
「嫉妬に溺れる……」
呟く夏……。
「以上が、俺が思う夏の周りにいる男の
分析結果だ……」
「四人目は?」
突然、夏が呟いた。
「四人目? 誰だそれ……そんなヤツいたか?」
夏の顔を覗き込んだ矢上にハッとした夏は、
「え? え~、そんな人いないよね~」
と慌てた夏はマグカップを持つと一気に
カフェオレを飲み干した。
「ぷふぁ~、おいしい」
なんとかごまかした夏に、
「おまえ、豪快だな~」
と矢上が笑った。
矢上の笑顔につられた夏も大笑いした。
「あ~可笑しい。夏、俺思うんだけどさ
別に急いで好きな人を選ばなくていいんじゃないの?
人を好きになるって一目惚れだったり、
時間をかけて好きになったり、気づいたら好きに
なってたって、人それぞれだからさ……
夏は、夏のペースでいいんじゃないの?
だからさ、時間をかけてもいいから、
本当に好きな人をつくりなよ……」
矢上が真顔で夏に語りかけた。
夏は、彼のその表情が、どことなく切なそうな
感じがした。
「矢上っち、矢上のくせに生意気~。
恋バナ語るなんて……」
夏が矢上の顔を見るとニカっと笑った。
「なんだよ。
人生の先輩がせっかくレクチャーを
してるのにだな……」
「なにが、人生の先輩よ! たかが、数年先に
生まれただけじゃん……」
「は? なんだその言い方は……」
こんなやり取りをする夏と矢上……
気がつけば時計の針は22時を指していた。
「あ、もうこんな時間。そろそろ帰るよ」
玄関まで歩いて行き、スリッパを履いた夏は、
「えっと……おじゃましました。
サラダ美味しかった……です。
それから、意外と楽しかった……です」
と呟いた。
「以外とは、余計だよ。じゃあな、
明日は、羽目外しすぎるなよ。
一応俺、監視役代理だから」
「わかってるよ。わかってますぅ~」
「よろしい……」
夏が、ドアを開けようとしたその時、
「夏……おやすみ」
矢上が優しく微笑んだ。
矢上の微笑みに、『ドキッ』とした夏は
「お、おやすみなさい」
と背を向けたまま言うと、
そのまま玄関から出て行った。
「夏の四人目の男かぁ……」
と呟くと矢上が微笑んだ。
片付けを済ませると、マグカップに
ブラックコーヒ―と牛乳と砂糖を入れた
カフェオレを手に持つと、ソファーに
座った。
「で? 夏は誰が好きなの?」
ドストレートに直球を投げつける矢上。
「う……ん……ってつ~か、なんで
矢上っちと恋バナしなきゃなんないの?」
「ちぇっ、感づきおって……それと、なんで
俺が矢上っちなんだよ」
「だって~、呼び捨てにするなって言ったじゃん」
「まぁ……いい、話は戻すけどさ、
いいか、俺が思うに……」
「うん、うん」
「夏の周りには、現在三人の男がいる」
「うん、うん」
「第一の男は、最初に見かけた
梶本恭介。あいつはモテるぞ!
男の俺から見ても一生女に不自由しない
と思う」
「うん、うん」
と頷く夏……。
「第二の男は、美術部部長の川内!
アイツは、意表をついた愛情表現が得意だ。
普段見せない顔を見せられた時のギャップに
女子は、萌えるだろう……」
「ほぉ~」
矢上の分析力に驚く夏。
「そして、第三の男は、我が従弟の
イケメン美術教師の葉山俊二!
彼は、大人の男だから、女子生徒とは言わず、
世の女性の標的になりやすい……
彼女になると、嫉妬に溺れるかもな……」
「嫉妬に溺れる……」
呟く夏……。
「以上が、俺が思う夏の周りにいる男の
分析結果だ……」
「四人目は?」
突然、夏が呟いた。
「四人目? 誰だそれ……そんなヤツいたか?」
夏の顔を覗き込んだ矢上にハッとした夏は、
「え? え~、そんな人いないよね~」
と慌てた夏はマグカップを持つと一気に
カフェオレを飲み干した。
「ぷふぁ~、おいしい」
なんとかごまかした夏に、
「おまえ、豪快だな~」
と矢上が笑った。
矢上の笑顔につられた夏も大笑いした。
「あ~可笑しい。夏、俺思うんだけどさ
別に急いで好きな人を選ばなくていいんじゃないの?
人を好きになるって一目惚れだったり、
時間をかけて好きになったり、気づいたら好きに
なってたって、人それぞれだからさ……
夏は、夏のペースでいいんじゃないの?
だからさ、時間をかけてもいいから、
本当に好きな人をつくりなよ……」
矢上が真顔で夏に語りかけた。
夏は、彼のその表情が、どことなく切なそうな
感じがした。
「矢上っち、矢上のくせに生意気~。
恋バナ語るなんて……」
夏が矢上の顔を見るとニカっと笑った。
「なんだよ。
人生の先輩がせっかくレクチャーを
してるのにだな……」
「なにが、人生の先輩よ! たかが、数年先に
生まれただけじゃん……」
「は? なんだその言い方は……」
こんなやり取りをする夏と矢上……
気がつけば時計の針は22時を指していた。
「あ、もうこんな時間。そろそろ帰るよ」
玄関まで歩いて行き、スリッパを履いた夏は、
「えっと……おじゃましました。
サラダ美味しかった……です。
それから、意外と楽しかった……です」
と呟いた。
「以外とは、余計だよ。じゃあな、
明日は、羽目外しすぎるなよ。
一応俺、監視役代理だから」
「わかってるよ。わかってますぅ~」
「よろしい……」
夏が、ドアを開けようとしたその時、
「夏……おやすみ」
矢上が優しく微笑んだ。
矢上の微笑みに、『ドキッ』とした夏は
「お、おやすみなさい」
と背を向けたまま言うと、
そのまま玄関から出て行った。
「夏の四人目の男かぁ……」
と呟くと矢上が微笑んだ。