恋はレモンのように
大雨の中のショッピング
「ひどい雨だな……これは止みそうもないな」
窓際に立って外を見ている矢上。
すると、夏の家の玄関のドアが開くのが見えた。
「ん? アイツ等じゃん……。
さては、この雨だから早々に切り上げたんだな」
玄関から出て来たレインコート姿……。
「ん? 三人……?」
レインコート姿の三人……を矢上は確認する。
「アイツ等、この大雨の中、何処に行く気だよ。
あ~あ、夏のヤツまでついて行ってるよ……
これは……切り上げたんじゃなくて、
アイツ等、遊びに行きやがった……。
……ったく、これだから高校生のガキは……」
と呆れる矢上だった。
激しい雨の中、夏、恭介、ひとみの三人は、
駅に併設してあるショッピングモールに到着した。
予想通り、ショッピングモールの中は、
日曜日にもかかわらず、人もまばらだった。
レインコートを脱ぎながら、
「これのお陰で濡れずに済んだね」
ひとみが二人に声をかけた。
「うん。へっくしゅん……」
夏がくしゃみをした。
「夏~、おまえ本当に大丈夫なの?
風邪ひいてない?」
恭介が声をかける。
「大丈夫だってば……
それより、早く買い物しようよ」
そう言うと夏は二人の手を引いて
フロアを歩き出した。
洋服屋、本屋、雑貨屋、スポーツ用品店、
コスメ店、順々に見て回る三人。
外の様子を気にすることなく、
楽しそうに過ごす夏、恭介、ひとみ……。
二時間ほど過ぎた頃、
三人は、フードコートで休憩をしていた。
すると……
ピンポンパンポン~。
館内放送の合図がした。
三人が耳を傾ける。
「お客様にご案内いたします。
只今、気象庁よりこの地域に大雨洪水、暴風
警報が発令されました。
これにより、お客様には大変ご迷惑を
お掛け致しますが、お客様と従業員の
安全を確保するために当館は午後二時をもちまして
閉館とさせていただきます。
誠に申し訳ござませんが、ご理解とご協力を
お願い致します」
ピンポンパンポ~ン。
「今、何時?」
ひとみが言った。
「えっと~、十二時半」
夏が答えた。
「じゃあ、そろそろ解散しようか……
交通機関も止まっちゃうだろうからね」
恭介が、椅子から立ち上がった。
三人は、正面玄関付近でレインコートを再び
着ると、
「じゃあ、俺とひとみちゃんはこっちだから。
夏、一人で大丈夫か? 途中まで送ろうか?」
恭介が心配そうに言った。
「大丈夫だよ。恭介こそ、逆方向じゃん。
それより、ひとみちゃんをお願いね」
夏が微笑んだ。
「そっか……わかった。じゃあまた明日な」
そう言うと恭介とひとみは、夏とは逆方向に
歩いて行った。
雨はどんどん激しさを増していき、
夏が家に辿り着く頃には風も強まり始めた。
窓際に立って外を見ている矢上。
すると、夏の家の玄関のドアが開くのが見えた。
「ん? アイツ等じゃん……。
さては、この雨だから早々に切り上げたんだな」
玄関から出て来たレインコート姿……。
「ん? 三人……?」
レインコート姿の三人……を矢上は確認する。
「アイツ等、この大雨の中、何処に行く気だよ。
あ~あ、夏のヤツまでついて行ってるよ……
これは……切り上げたんじゃなくて、
アイツ等、遊びに行きやがった……。
……ったく、これだから高校生のガキは……」
と呆れる矢上だった。
激しい雨の中、夏、恭介、ひとみの三人は、
駅に併設してあるショッピングモールに到着した。
予想通り、ショッピングモールの中は、
日曜日にもかかわらず、人もまばらだった。
レインコートを脱ぎながら、
「これのお陰で濡れずに済んだね」
ひとみが二人に声をかけた。
「うん。へっくしゅん……」
夏がくしゃみをした。
「夏~、おまえ本当に大丈夫なの?
風邪ひいてない?」
恭介が声をかける。
「大丈夫だってば……
それより、早く買い物しようよ」
そう言うと夏は二人の手を引いて
フロアを歩き出した。
洋服屋、本屋、雑貨屋、スポーツ用品店、
コスメ店、順々に見て回る三人。
外の様子を気にすることなく、
楽しそうに過ごす夏、恭介、ひとみ……。
二時間ほど過ぎた頃、
三人は、フードコートで休憩をしていた。
すると……
ピンポンパンポン~。
館内放送の合図がした。
三人が耳を傾ける。
「お客様にご案内いたします。
只今、気象庁よりこの地域に大雨洪水、暴風
警報が発令されました。
これにより、お客様には大変ご迷惑を
お掛け致しますが、お客様と従業員の
安全を確保するために当館は午後二時をもちまして
閉館とさせていただきます。
誠に申し訳ござませんが、ご理解とご協力を
お願い致します」
ピンポンパンポ~ン。
「今、何時?」
ひとみが言った。
「えっと~、十二時半」
夏が答えた。
「じゃあ、そろそろ解散しようか……
交通機関も止まっちゃうだろうからね」
恭介が、椅子から立ち上がった。
三人は、正面玄関付近でレインコートを再び
着ると、
「じゃあ、俺とひとみちゃんはこっちだから。
夏、一人で大丈夫か? 途中まで送ろうか?」
恭介が心配そうに言った。
「大丈夫だよ。恭介こそ、逆方向じゃん。
それより、ひとみちゃんをお願いね」
夏が微笑んだ。
「そっか……わかった。じゃあまた明日な」
そう言うと恭介とひとみは、夏とは逆方向に
歩いて行った。
雨はどんどん激しさを増していき、
夏が家に辿り着く頃には風も強まり始めた。