恋はレモンのように
トントントン、グツグツ、
キッチンからいい匂いが漂ってくると、
コンロの前に立つ矢上の隣に夏が
やって来た。
「停電、解消されたんだね」
「ああ、いつの間にか復旧してた。
助かったな……」
テーブルに置かれた、小さな土鍋。
蓋を開けると、白い湯気が勢いよく
立ちのぼった。
「わぁ~、美味しそうな雑炊」
グツグツと音を立てたお米の中に
細かく刻んだ椎茸、ニンジンと鶏肉、
そして真ん中には満月のように丸い、
卵が浮かんでいた……。
「冷蔵庫、勝手に開けちゃったけど。
中にあった具材で作ったから……
味はわかんないぞ……」
「いただきます……」
両手を合わせて頭を下げた夏が、
アツアツの雑炊を食べ始めた。
その様子を目を細めて眺める矢上。
「旨いか?」
「うん……物凄く」
「それは、よかった」
「矢上ッちも食べなよ……」
夏が立ち上がり、食器棚から器と
レンゲを持って来た。
土鍋から雑炊を器に入れると、
隼人に渡した。
「旨っ……俺天才かも……」
「うん……ある意味ね……」
夏が笑った。
ブブブ……
夏のスマホが鳴った。
「もしもし、お母さん?
こっちは、停電したけど
もう大丈夫だよ。天気も回復したし……
そう、わかった。じゃあ気をつけてね」
夏は母親との通話を終了すると、
「飛行機飛ぶって……お父さんとお母さん、
朝の便で九州を経つから、午後には帰宅できそう」
夏が矢上に言った。
スマホを手に握っていた矢上も、
「今、俊二からもラインがきた。
こっちも昼には戻れそうだってさ……」
「そうか……よかったね」
「ああ、これ食べ終わったら俺も
帰るから……あ、ちゃんと大人しく
してろよ!」
「わかりました~」
夏と矢上は、土鍋の雑炊を二人で
美味しそうに食べ終えた。
キッチンからいい匂いが漂ってくると、
コンロの前に立つ矢上の隣に夏が
やって来た。
「停電、解消されたんだね」
「ああ、いつの間にか復旧してた。
助かったな……」
テーブルに置かれた、小さな土鍋。
蓋を開けると、白い湯気が勢いよく
立ちのぼった。
「わぁ~、美味しそうな雑炊」
グツグツと音を立てたお米の中に
細かく刻んだ椎茸、ニンジンと鶏肉、
そして真ん中には満月のように丸い、
卵が浮かんでいた……。
「冷蔵庫、勝手に開けちゃったけど。
中にあった具材で作ったから……
味はわかんないぞ……」
「いただきます……」
両手を合わせて頭を下げた夏が、
アツアツの雑炊を食べ始めた。
その様子を目を細めて眺める矢上。
「旨いか?」
「うん……物凄く」
「それは、よかった」
「矢上ッちも食べなよ……」
夏が立ち上がり、食器棚から器と
レンゲを持って来た。
土鍋から雑炊を器に入れると、
隼人に渡した。
「旨っ……俺天才かも……」
「うん……ある意味ね……」
夏が笑った。
ブブブ……
夏のスマホが鳴った。
「もしもし、お母さん?
こっちは、停電したけど
もう大丈夫だよ。天気も回復したし……
そう、わかった。じゃあ気をつけてね」
夏は母親との通話を終了すると、
「飛行機飛ぶって……お父さんとお母さん、
朝の便で九州を経つから、午後には帰宅できそう」
夏が矢上に言った。
スマホを手に握っていた矢上も、
「今、俊二からもラインがきた。
こっちも昼には戻れそうだってさ……」
「そうか……よかったね」
「ああ、これ食べ終わったら俺も
帰るから……あ、ちゃんと大人しく
してろよ!」
「わかりました~」
夏と矢上は、土鍋の雑炊を二人で
美味しそうに食べ終えた。