糸ちゃんと謙吾くんの寝室事情
「んっ……ハァ……」
「糸……突き上げていい?」
「ん、いっぱい、突いて…………あぁんっ」

 グッと一突き、腰を高く持ち上げると、糸の小さな体がそのまま持ち上がった。

 午後23時の糸の小さな寝室。

 小さなベッドの上で重なり合う体。

 今日も糸は俺の上にちょこんと乗っている。

 俺を見下ろす糸の小さな顔は上気していて、少し甘えたような、それでいて挑戦的に攻める顔を見せている。

 最近は、1日の終わりにこの顔を見る瞬間が、至福の時だ。

 ギシッギシッと軋むベッドの音。

 今では気にならなくなったが、ここに住み出した時は、ベッドを壊してしまうのではないかと、気が気でなかった。

 幸いなことに、糸は俺の上に乗るのが好きだから、結果、最小限の動きで収まったのだが……。
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