溺愛!おさななじみにサンドされてドキドキが止まりません!

「ごめんね」のわけを聞かせて

「……なんで謝るの?」


訊ねながら二人を交互に見つめると、珍しく困った顔をした二人がどちらともなく口を開く。


「俺らもそう思うんだけど、ダメなんだよね」
「どんな女の子と一緒にいてみても、ハナちゃんといるほうが楽しいし」
「ハナちゃんのほうがかわいいと思うし」
「付き合うならハナちゃんがいい」
「でも俺らもお互いにハナちゃんのこと譲る気もないから」


息ぴったりにそう繋がれたセリフのあと、両頬に柔らかな唇が触れた。


「何があっても守るから」
「ハナちゃんのこと、好きでいさせて欲しい」


まるで私の悩みや迷いも見透かしていたかのように、ユウくんとリョウくんくんはそう言って私の手をぎゅっと握り直す。
可愛がってくれているとは感じていたけど、好きでいてくれているなんて言葉を聞くのは初めてのように思う。


二人の唇が触れた頬がじわじわと熱くなって、顔を覆い隠したいけど二人に手を取られたままではそれもかなわない。


「ハナちゃん顔真っ赤。かわい」
「意識してもらえてるってことかな」
「じゃなきゃ困る」
「確かに」


私は意識しすぎて困っているのに、そうでなくては困るとは年上の余裕というやつだろうか。


「ハナちゃんは、ユウくんとリョウくんどっちが好き?」


悪戯のような問いかけに答えなんて他に、ない。


「……ユウくんもリョウくんも好き」


出来るなら誰にも譲りたくないくらい好きだ。
彼女が出来たらなんて、考えてはみたけどきっとそのほうが私の中に誰よりも醜い嫉妬が生まれてしまっていたことだろう。


「百点満点」


私の答えをそう評価して、二人は握っていた私の手をそっと持ち上げ指先にキスを落とした。
打ち合わせでもしていたのだろうかと思いながらも、ユウくんとリョウくんならアドリブでも十分にこれくらいの演出はしてしまうだろうとも思った。


ドキドキと高鳴る心臓には、気持ちを確認したこれからの生活ではさらなる刺激が待ち受けているのかもしれない。
すでにいっぱいいっぱいな私の両隣には愛しき恋人とも呼べるナイトが二人。
そのポジションは誰にも譲らないとばかりに鎮座している。
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