さようなら
僕はマスターと話しをしながらも

紗江のお見合いが気になっていた。



「マスター、そろそろ

行きます」


「ああ…

良いクリスマスを…」


「マスターも」


「ああ」



僕はマスターのレストランを出て

ディズニーへ向かった。

何本か電車を乗り継ぎ、

ディズニーに到着した。

舞浜の駅はディズニーに

向かう人たちで、

かなり賑わっていた。


ディズニーの入り口に近付いた。


かなりの人たちが並んでいる。


僕はその列に並んだ。


今日はクリスマスだから

カップルがとても多い。

みんな楽しそうに会話をしている。


僕は一人、冷たい風に

打たれていた。



僕は待っている間、

紗江と出会ってから

今までの事を、思い出していた。



紗江と初めて出会った時のこと。


紗英に告白された時のこと。


紗江と初めてデートに行った

時のこと。


紗江の誕生日を一緒に祝った

時のこと。


紗江と初めてディズニーに来て、

いつか結婚しようと

約束した時のこと。


紗江といつも笑い合っていたこと…


たくさんの思い出が

僕の心にはある…


そして紗江の心にも

僕と同じだけの思い出がある…


夕方5時になり、

やっと僕は中へ入れた。

紗江からの連絡はない。


お見合いはもう

終わっている時間だ。


僕は紗江からの連絡を待った。


夜になり、寒さは一段と増した。


あれだけ紗江に言われたのに

僕はたくさん着込んでくるのを

忘れてしまった。


僕は一人、トレーナーを買いに

お店に入った。


今年も可愛いトレーナーが

たくさん並んでいる。


僕はトレーナーを買った。


そして、紗江の為に

可愛いパーカーを買った。


僕は買ったトレーナーを着込んだ。


まだ、紗江からの連絡はない。


でも、僕は紗江に

連絡はしなかった。


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