さようなら
「いらっしゃっいませー。


何名様ですか?」


「二人です」


「どうぞこちらへ」




達也さんは一年後、

自分のお店を開いた。


お店の名前は『さくら』


私は達也さんにお店を

手伝ってほしいと言われた。


断る理由はなかった。


達也さんのお父さんも、

タクシー運転手を辞め、

一緒にお店を手伝った。



「はいどうぞ、さくら特製の

おはぎです」


「美味しそうですね〜」


「これが噂のおはぎか〜」



私は達也さんに、お店で

おはぎを作って欲しいと言われた。


私はあまり自信がなかったけれど

達也さんは大丈夫と言ってくれた。


私は達也さんの言葉を信じ、

一生懸命に作った。


おはぎは土日限定で出した。


達也さんと考えて、お金は

取らずに、セットに付いてくる

一品として出した。


達也さんのお蕎麦と、

私のおはぎはちょっとした話題を

呼び、地方からのお客さんも

たくさん来てくれた。


『さくら』は順調に進んで行った。


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