出席番号5番の彼女

4.



 ある日を境に、嫌われてしまった人、出席番号5番の彼女は、とても模範的であり、真面目な生徒だった。

 真面目に授業を聴き、真面目にレポートを書き、真面目に宿題をやってきて、真面目に委員会の仕事に取り組む。

 だから嫌われたのかもしれない。

 次第に、陰口が増えていった。

 私が最初に悪口を聞いたのはいつだったのかーー。

 2、3ヶ月くらい前だろうか。

 初めは、チラッと聞くくらいだった。あの子、ちょっと性格が無理。と。

 それを言ったのは、クラスでも目立っている女の子だった。

 私は彼女が嫌いでなかったため、とてもショックだった。

 けれど私に、その女の子のグループの会話に飛び込んでいくという勇気はなく、一瞬聞くだけで終わってしまった。

 あの時、間に入っていれば、なにか変わったのかも知れない。

 その後、『いじめ』は少しずつ拡張していった。

 とある日は掃除で後ろに下げられた机が前に戻されておらず、彼女が自分でやっていた。

 彼女の席は1番後ろだったため、1番後ろだけ運ばれていなくても少しは不自然でなかった。

 
 彼女の目は、日に日に光を失っていっていた、そんな気がする。

 
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