「お前さえいなければ」と言われたので死んだことにしてみたら、なぜか必死で捜索されています
「ど、どうしてだ……。どうしてルーク・アーレントが子供に好かれるんだ……。そいつら私には全く懐かないのに……」
司教様は子供に囲まれるルークさんを、ショックを受けたような表情で見ている。
司教様、子供に好かれたいのだろうか。
厳しそうな人だと思ったけれどちょっと可愛い。
ただ、好かれない理由は一目瞭然な気がする。
『あの司教、子供に好かれたいならあの怖い顔をやめればいいのにね。まるで、僕以外の精霊に話しかけるときのセラじゃないか』
「そうよね。……えっ、私あんな顔をしていたかしら……?」
『気づいてなかったの? 大分怖かったよ』
「そ、そそ、そうなの……。自覚がなかったわ……」
私が思わぬ流れ弾にショックを受けていると、ルークさんが子供を抱きかかえたままこちらに手を振って来た。
「セラちゃーん! 今日のおすすめはみんなで作った手作りクッキーなんだって! 何味がいいと思う?」
「クッキー! 何味があるんですか?」
私が駆け寄りながら尋ねると、ルークさんの代わりに白いワンピースを着たふわふわした髪の女の子が答えてくれる。
「ベリーとナッツとオレンジがあるわよ。おすすめはベリー味」
「どれもおいしそうですね! じゃあ、そのおすすめのベリー味をいただけますか?」
「いいわよ。今お会計してあげるわね」
女の子はそう言って、手際よくクッキーを袋に詰め、お会計をしてくれる。私は手持ちの銅貨でお金を払い、初めてバザーでの買い物をした。
「じゃあ俺は残りのナッツとオレンジのクッキーをもらおうかな」
女の子が私にクッキーを渡してくれた後、ルークさんも注文する。
女の子は得意げに会計をしていた。
「だ、だからどうしてお前は子供に怯えられないんだ? なんでそんな普通に接せられるんだ? そっちの女も……! わけがわからない!」
会計の様子を隣で見ていた司教様は、納得のいかなそうな顔で言う。
ルークさんは苦笑いしながら司教様に言った。
「司教様、表情も話し方も威圧的なんだよ。それじゃ子供じゃなくても怖いって」
「私は威圧的ではない。ちゃんとこの子たちが将来困らないように考えて接しているだけだ」
「司教様が子供たちのこと大事にしてるのは俺もよくわかってるんだけどさ……」
厳しい顔のまま反論する司教様に、ルークさんは苦笑いで返している。
その時、ルークさんを囲う子供たちの輪に加わっていなかった女の子が、司教様の白い服をそっと引っ張った。
「司教様」
「なんだ、メアリー。お前も何か文句があるのか」
「司教様、メアリーは……」
女の子は何か言いかけたきり黙ってしまう。
司教様は腕組みをして難しい顔をする。
「メアリーも私に不満があると言うことか。全く、うちの孤児どもは恩知らずだな。厳しい教会の資金を何とかやり繰りして養ってやっているというのに」
「いや、司教様、そういう言い方するからだって……。本当は思ってないくせに……。メアリーちゃん、何を言いかけたのかな?」
ルークさんはメアリーという女の子の前でしゃがみ込み、笑顔で尋ねる。
しかし、メアリーちゃんはついっとそっぽを向いて行ってしまった。
「あーあ、行っちゃった。司教様が怖がらせるから」
「なんだと、今のはお前から逃げたんだろ」
「こんな司教様が上に立ってると大変だねー。ねぇ、みんな?」
ルークさんはそばにいた子供たちの肩を抱き寄せながら、ため息交じりに言う。
子供たちが怯えた顔でこくこくうなずくので、司教様は何とも不満そうな顔をしていた。
司教様は子供に囲まれるルークさんを、ショックを受けたような表情で見ている。
司教様、子供に好かれたいのだろうか。
厳しそうな人だと思ったけれどちょっと可愛い。
ただ、好かれない理由は一目瞭然な気がする。
『あの司教、子供に好かれたいならあの怖い顔をやめればいいのにね。まるで、僕以外の精霊に話しかけるときのセラじゃないか』
「そうよね。……えっ、私あんな顔をしていたかしら……?」
『気づいてなかったの? 大分怖かったよ』
「そ、そそ、そうなの……。自覚がなかったわ……」
私が思わぬ流れ弾にショックを受けていると、ルークさんが子供を抱きかかえたままこちらに手を振って来た。
「セラちゃーん! 今日のおすすめはみんなで作った手作りクッキーなんだって! 何味がいいと思う?」
「クッキー! 何味があるんですか?」
私が駆け寄りながら尋ねると、ルークさんの代わりに白いワンピースを着たふわふわした髪の女の子が答えてくれる。
「ベリーとナッツとオレンジがあるわよ。おすすめはベリー味」
「どれもおいしそうですね! じゃあ、そのおすすめのベリー味をいただけますか?」
「いいわよ。今お会計してあげるわね」
女の子はそう言って、手際よくクッキーを袋に詰め、お会計をしてくれる。私は手持ちの銅貨でお金を払い、初めてバザーでの買い物をした。
「じゃあ俺は残りのナッツとオレンジのクッキーをもらおうかな」
女の子が私にクッキーを渡してくれた後、ルークさんも注文する。
女の子は得意げに会計をしていた。
「だ、だからどうしてお前は子供に怯えられないんだ? なんでそんな普通に接せられるんだ? そっちの女も……! わけがわからない!」
会計の様子を隣で見ていた司教様は、納得のいかなそうな顔で言う。
ルークさんは苦笑いしながら司教様に言った。
「司教様、表情も話し方も威圧的なんだよ。それじゃ子供じゃなくても怖いって」
「私は威圧的ではない。ちゃんとこの子たちが将来困らないように考えて接しているだけだ」
「司教様が子供たちのこと大事にしてるのは俺もよくわかってるんだけどさ……」
厳しい顔のまま反論する司教様に、ルークさんは苦笑いで返している。
その時、ルークさんを囲う子供たちの輪に加わっていなかった女の子が、司教様の白い服をそっと引っ張った。
「司教様」
「なんだ、メアリー。お前も何か文句があるのか」
「司教様、メアリーは……」
女の子は何か言いかけたきり黙ってしまう。
司教様は腕組みをして難しい顔をする。
「メアリーも私に不満があると言うことか。全く、うちの孤児どもは恩知らずだな。厳しい教会の資金を何とかやり繰りして養ってやっているというのに」
「いや、司教様、そういう言い方するからだって……。本当は思ってないくせに……。メアリーちゃん、何を言いかけたのかな?」
ルークさんはメアリーという女の子の前でしゃがみ込み、笑顔で尋ねる。
しかし、メアリーちゃんはついっとそっぽを向いて行ってしまった。
「あーあ、行っちゃった。司教様が怖がらせるから」
「なんだと、今のはお前から逃げたんだろ」
「こんな司教様が上に立ってると大変だねー。ねぇ、みんな?」
ルークさんはそばにいた子供たちの肩を抱き寄せながら、ため息交じりに言う。
子供たちが怯えた顔でこくこくうなずくので、司教様は何とも不満そうな顔をしていた。