「お前さえいなければ」と言われたので死んだことにしてみたら、なぜか必死で捜索されています
「いえ、そんな。私は精霊さんにお願いしただけです。でも、メアリーちゃんが元気になって本当によかった」
「司教様、セラちゃんが私の病気を治してくれてから精霊を少し好きになってくれたみたい。メアリー精霊好きだから嬉しい」
「本当ですか? それは私も嬉しいです!」
あんなに精霊を疎ましそうにしていた司教様が、メアリーちゃんの目から見ても精霊を好きになってくれたように見えるなんて感慨深い。
私が感動していると、メアリーちゃんはもじもじし出して、もう一度「治してくれてありがとう」と言った後で、ぱっと司教様の方に駆けて行ってしまった。
それから司教様の教会服の裾にじっとしがみついていた。
メアリーちゃんは大分恥ずかしがり屋らしい。
そして最初に会ったときから思っていたけれど、メアリーちゃんは司教様に随分懐いているようだ。
「セラちゃーん、みんなまたクッキー焼いてくれたんだって。食べに行こー」
「えっ、本当ですか!? 行きます!」
気がつくと早速子供たちに囲まれていたルークさんが、こちらに手を振っていた。
私はすぐさまそちらへ駆け寄る。
そばまでいくと、以前バザーで会計してくれた女の子や小さな男の子たちが私の手を引いて、お茶会用に用意したという部屋まで連れて行ってくれた。
ルークさんと子供たちと、それからメアリーちゃんにしがみつかれたままの仏頂面の司教様とテーブルを囲んでお茶をする。
とても和やかで楽しい時間だった。
ちょっと形の崩れたクッキーも、爽やかな香りのする紅茶もとってもおいしかった。
しばらくテーブルでお茶をしたりお話ししたりした後、子供たちにお庭で遊ぼうと連れ出された。
私は彼らに手を引かれるままお庭に出る。
司教様と何人かの子供たちは教会の中に残って、最近始めた精霊の儀式の準備をするらしかった。私とルークさんも精霊の儀式に参加させてくれるそうだ。
司教様たちの準備を待つ間、私は庭で子供たちに誘われてかくれんぼをしたり、追いかけっこをしたりして遊んだ。
走り回るなんて久々で楽しかったけれど、子供たちの元気があまりに無尽蔵なので途中で息切れしてしまった。
ちょっと休憩しようとベンチに向かうと、そこにはすでに若干疲れた顔をしたルークさんが座っていた。
「ルークさんも休憩ですか?」
「うん、もう動けない……。追いかけっこで集中的に追いかけ回された後、全員に交代で肩車させられて疲れた……」
「あらまあ」
「前はもうちょっと体力が続いたんだけどな。年かな」
ルークさんはわざとらしく自分の肩を叩きながら、おじさんみたいなことを言う。
「年ってルークさん若いじゃないですか。あれ、そういえばルークさんって何歳なんですか?」
「言ってなかったっけ? 十九歳だよ」
「そうなんですか。私より二歳上なんですね」
「セラちゃん十七歳だったんだ」
私たちは今さらながらにそんな会話をする。出会ってから一ヶ月以上経つのに、年齢も知らなかった。
「司教様、セラちゃんが私の病気を治してくれてから精霊を少し好きになってくれたみたい。メアリー精霊好きだから嬉しい」
「本当ですか? それは私も嬉しいです!」
あんなに精霊を疎ましそうにしていた司教様が、メアリーちゃんの目から見ても精霊を好きになってくれたように見えるなんて感慨深い。
私が感動していると、メアリーちゃんはもじもじし出して、もう一度「治してくれてありがとう」と言った後で、ぱっと司教様の方に駆けて行ってしまった。
それから司教様の教会服の裾にじっとしがみついていた。
メアリーちゃんは大分恥ずかしがり屋らしい。
そして最初に会ったときから思っていたけれど、メアリーちゃんは司教様に随分懐いているようだ。
「セラちゃーん、みんなまたクッキー焼いてくれたんだって。食べに行こー」
「えっ、本当ですか!? 行きます!」
気がつくと早速子供たちに囲まれていたルークさんが、こちらに手を振っていた。
私はすぐさまそちらへ駆け寄る。
そばまでいくと、以前バザーで会計してくれた女の子や小さな男の子たちが私の手を引いて、お茶会用に用意したという部屋まで連れて行ってくれた。
ルークさんと子供たちと、それからメアリーちゃんにしがみつかれたままの仏頂面の司教様とテーブルを囲んでお茶をする。
とても和やかで楽しい時間だった。
ちょっと形の崩れたクッキーも、爽やかな香りのする紅茶もとってもおいしかった。
しばらくテーブルでお茶をしたりお話ししたりした後、子供たちにお庭で遊ぼうと連れ出された。
私は彼らに手を引かれるままお庭に出る。
司教様と何人かの子供たちは教会の中に残って、最近始めた精霊の儀式の準備をするらしかった。私とルークさんも精霊の儀式に参加させてくれるそうだ。
司教様たちの準備を待つ間、私は庭で子供たちに誘われてかくれんぼをしたり、追いかけっこをしたりして遊んだ。
走り回るなんて久々で楽しかったけれど、子供たちの元気があまりに無尽蔵なので途中で息切れしてしまった。
ちょっと休憩しようとベンチに向かうと、そこにはすでに若干疲れた顔をしたルークさんが座っていた。
「ルークさんも休憩ですか?」
「うん、もう動けない……。追いかけっこで集中的に追いかけ回された後、全員に交代で肩車させられて疲れた……」
「あらまあ」
「前はもうちょっと体力が続いたんだけどな。年かな」
ルークさんはわざとらしく自分の肩を叩きながら、おじさんみたいなことを言う。
「年ってルークさん若いじゃないですか。あれ、そういえばルークさんって何歳なんですか?」
「言ってなかったっけ? 十九歳だよ」
「そうなんですか。私より二歳上なんですね」
「セラちゃん十七歳だったんだ」
私たちは今さらながらにそんな会話をする。出会ってから一ヶ月以上経つのに、年齢も知らなかった。