「お前さえいなければ」と言われたので死んだことにしてみたら、なぜか必死で捜索されています
「セラちゃん、何かあるといけないから子供たちを連れて中へ戻っておいてくれる? 中にいる司教様にも外の様子がおかしいって伝えておいて。俺は少し向こうを見て来るよ」
「お一人で大丈夫ですか?」
「大丈夫大丈夫。こう見えて俺結構強いんだよ」
ルークさんはそう言った笑った。
心配ではあるものの、私がいたら逆に足手纏いかもしれないと思い、言われた通り子供たちと教会に戻ることにした。
早く子供たちを安全な場所に移動させて、司教様に異変を報告しよう。
しかし子供たちに近づいている時間はなかった。
あっという間に足音が近づいてきて、教会の敷地内に大量の兵士がなだれ込んできたからだ。
突然の光景に足が竦む。
しかし、入って来た兵士たちは、よく見ると見慣れた制服を着ていた。
この制服はサフェリア王国の……。
「……セラフィーナ!! やっぱり生きてたんだな!!」
「エリオット様!?」
ものものしく武装した兵士たちの向こうから、マントに身を包んだエリオット様が現れたので、仰天してしまった。
どうしてエリオット様がラピシェル帝国に。
エリオット様は相変わらず見惚れるほど美しい姿をしていた。
しかし少しやつれただろうか。最後に会ったときよりも顔色が悪く、不健康そうに見える。
それでも彼の目は爛々と輝いていた。
エリオット様は迷いのない足取りでこちらに近づいてくると、私の両肩に手を置いた。
「あの、エリオット様……?」
「セラ、悪かった。お前さえいなければなんて全く本心じゃないんだ。一緒に王国へ帰ろう。もうお前をあんな寂しい別邸に捨て置いたりしないから」
「え、あの、その……?」
エリオット様は真剣な顔でそう言った。
私はあまりに突然のことで、呆然とすることしか出来ない。
エリオット様はわざわざ兵士に混ざって隣国まで捜索しに来てくれたというのだろうか。
私を疎んじていたはずなのに?
状況が理解できず、私はただエリオット様の顔を眺めているしかなかった。
呆然とする私にエリオット様は言い募る。
「本当に心配したんだぞ。お前が死んでしまったのかとずっと気が気ではなかった。お前に似た者を帝国で見かけた者がいると聞いて、急いでここまで来たんだ」
「エリオット様……」
エリオット様の表情は真剣で、嘘を吐いているようには見えなかった。本当に彼は私を心配して来てくれたのかもしれない。
信じられない気持ちだった。私がいなくなれば、エリオット様は喜ぶとばかり思っていたのに。
しかし、エリオット様が心配してくれたにも関わらず、私はなぜか喜べなかった。
私を探しに来てくれて、一緒に王国に帰ろうと言ってくれているのに。
以前の私なら涙を流して喜んだはずだ。けれど、今はどうしてか動揺する気持ちの方が大きい。
私はエリオット様が何より大切だったのではなかったのか。
「お一人で大丈夫ですか?」
「大丈夫大丈夫。こう見えて俺結構強いんだよ」
ルークさんはそう言った笑った。
心配ではあるものの、私がいたら逆に足手纏いかもしれないと思い、言われた通り子供たちと教会に戻ることにした。
早く子供たちを安全な場所に移動させて、司教様に異変を報告しよう。
しかし子供たちに近づいている時間はなかった。
あっという間に足音が近づいてきて、教会の敷地内に大量の兵士がなだれ込んできたからだ。
突然の光景に足が竦む。
しかし、入って来た兵士たちは、よく見ると見慣れた制服を着ていた。
この制服はサフェリア王国の……。
「……セラフィーナ!! やっぱり生きてたんだな!!」
「エリオット様!?」
ものものしく武装した兵士たちの向こうから、マントに身を包んだエリオット様が現れたので、仰天してしまった。
どうしてエリオット様がラピシェル帝国に。
エリオット様は相変わらず見惚れるほど美しい姿をしていた。
しかし少しやつれただろうか。最後に会ったときよりも顔色が悪く、不健康そうに見える。
それでも彼の目は爛々と輝いていた。
エリオット様は迷いのない足取りでこちらに近づいてくると、私の両肩に手を置いた。
「あの、エリオット様……?」
「セラ、悪かった。お前さえいなければなんて全く本心じゃないんだ。一緒に王国へ帰ろう。もうお前をあんな寂しい別邸に捨て置いたりしないから」
「え、あの、その……?」
エリオット様は真剣な顔でそう言った。
私はあまりに突然のことで、呆然とすることしか出来ない。
エリオット様はわざわざ兵士に混ざって隣国まで捜索しに来てくれたというのだろうか。
私を疎んじていたはずなのに?
状況が理解できず、私はただエリオット様の顔を眺めているしかなかった。
呆然とする私にエリオット様は言い募る。
「本当に心配したんだぞ。お前が死んでしまったのかとずっと気が気ではなかった。お前に似た者を帝国で見かけた者がいると聞いて、急いでここまで来たんだ」
「エリオット様……」
エリオット様の表情は真剣で、嘘を吐いているようには見えなかった。本当に彼は私を心配して来てくれたのかもしれない。
信じられない気持ちだった。私がいなくなれば、エリオット様は喜ぶとばかり思っていたのに。
しかし、エリオット様が心配してくれたにも関わらず、私はなぜか喜べなかった。
私を探しに来てくれて、一緒に王国に帰ろうと言ってくれているのに。
以前の私なら涙を流して喜んだはずだ。けれど、今はどうしてか動揺する気持ちの方が大きい。
私はエリオット様が何より大切だったのではなかったのか。