後輩が転生してきた推しだと言われましても
「ルシエルだから拒否できないって、類としては複雑なんだよな。はぁ、どうしよう。マジでどうしていいかわかんなくなってきた」

 結衣を見下ろしながら、眉を下げて類は途方に暮れている。

「た、確かにルシエル様は私にとってたった一人の推しだし、佐伯君は可愛い後輩で大切な仕事のパートナーだよ。でも、ルシエル様も佐伯君もどっちも大切だから……どっちがとか、わかんないよ。どっちも大切で、どっちでもドキドキするからわかんない」

 少し声を震わせて結衣が言葉を発する。類は結衣の言葉を聞いて両目を見開き、項垂れた。

「そんなこと言われたら、止まれないじゃん……」

 そう呟いて、類は急に結衣の唇に自分の唇を合わせる。そしてそのまま、類は結衣を抱いた。





——目の前に、推しであり後輩でもある男の顔がある。

 唇や肌のぬくもりと部屋に響き渡るい二人のやらしい音、頭上からひたすら降り注ぐ愛の言葉。いつまでも終わらない快感に、結衣は頭をクラクラさせながらいつの間にか意識を失っていった。

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