居候が恋に落ちるまで【新作】
「ええ。こちらは私の家ですから…。それにしても、おかしいなぁ。お隣さん、僕が引っ越してきた頃には既に空き家で、たまに出入りしていた持ち主らしき人たちが『もう、ここは住める状態じゃないから』と言っていたのに」

少し嫌な予感がしつつも、

「そうなんですね。ありがとうございます」

隣の家へと向かった。

「え…ここなの…?」

目の前が暗くなってきた。

お隣の洋館と、大きさはそこまで変わらないのに、こちらはどうも見ても廃屋である。

しかも、仙台と書いてあるのに、このお隣さん以外に人の姿が全くない。

いやいや!

中は意外と綺麗かもしれない。

建てつけの悪い戸を開くと、中は外観以上に荒れ果てていた。

もはや、お化け屋敷である。

車中泊は、主に道の駅でしていたので、他にも利用者が居て怖くなかったが、これは流石に怖い。
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