居候が恋に落ちるまで【新作】
伯母に文句を言おうと、ケータイを取り出したが、まさかの圏外。

「この周辺、キャリアによっては電波が届きませんよ」

陸の孤島と揶揄される田舎から引っ越してきたのに、その上をゆく陸の孤島か…?

「あはは…50万で仙台の家が買えるなんて、よく考えたらワケアリに決まってますよね。住めもしない家に50万払った上に、ずっと固定資産税を払わなきゃいけなくなるとか、もう笑うしかない…」

「とりあえず、家に来てお茶でも如何ですか?かなり遠くからいらしたみたいですし、疲れたでしょう?」

彼は、私の車のナンバープレートを見て言う。

確かに、かなり疲れていたので、ちょっと休みたい…。
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