苦手な上司と契約結婚したら、予想外の甘やかされ生活が始まりました【極上男子の執着愛①】
第1章
私が王城で働くことを志願したのは、単純にお金が欲しいからだった。
「……ふむ、ご両親が事故で亡くなったのですか」
「はい。なので、今は父の再婚相手の連れ子である妹と二人で生きています」
たまたまメイドの募集がかかっていて、私は飛びついた。
この半年くらい前。両親が事故で亡くなった。とはいっても、私と血のつながりがあるのは父だけ。母は父の再婚相手で、いわゆる継母という奴。
そのまま母には娘がいて、彼女は私よりも一歳年下。喧嘩もするけれど、それなりに仲良く暮らしていた。
「……ただ、両親が亡くなった後に多額の借金が判明しまして……」
両親の葬儀が終わった後。私と妹が知ったのは、二人の多額の借金だった。
なんでも、事業を起こす準備をしていたらしい。けど、まだ事業は立ち上げていない。そのお金は何処へ……と思ったら。
(まさか、協力者に持ち逃げされるなんてね……)
あり得ない話では、ないんだろうけれど。まさか、自分の身に降りかかるなんて予想もしていなくて。
私と妹は途方に暮れて、とりあえず割のいいお仕事を探そうということになって。
そして、私は王城のメイドを志望したというわけ。
「そうですか。とりあえず仮採用です。お試し期間がありますので、その間の働きで今後のことは決めましょう」
「ありがとうございます!」
私が満面の笑みでそう言えば、面接官の男性は眼鏡のブリッジをグイッと上げた。
「もちろん、使えなければ即刻解雇させていただきますが」
……しっかりとくぎを刺すのも忘れない面接官。
(もちろん即刻解雇になんてさせてたまるもんですか!)
それ相応にきちんと結果を出して、私は一流の王城メイドになってやるんだから!
……と、決意したのが二年前の話。今の私はというと――。
「……ふむ、ご両親が事故で亡くなったのですか」
「はい。なので、今は父の再婚相手の連れ子である妹と二人で生きています」
たまたまメイドの募集がかかっていて、私は飛びついた。
この半年くらい前。両親が事故で亡くなった。とはいっても、私と血のつながりがあるのは父だけ。母は父の再婚相手で、いわゆる継母という奴。
そのまま母には娘がいて、彼女は私よりも一歳年下。喧嘩もするけれど、それなりに仲良く暮らしていた。
「……ただ、両親が亡くなった後に多額の借金が判明しまして……」
両親の葬儀が終わった後。私と妹が知ったのは、二人の多額の借金だった。
なんでも、事業を起こす準備をしていたらしい。けど、まだ事業は立ち上げていない。そのお金は何処へ……と思ったら。
(まさか、協力者に持ち逃げされるなんてね……)
あり得ない話では、ないんだろうけれど。まさか、自分の身に降りかかるなんて予想もしていなくて。
私と妹は途方に暮れて、とりあえず割のいいお仕事を探そうということになって。
そして、私は王城のメイドを志望したというわけ。
「そうですか。とりあえず仮採用です。お試し期間がありますので、その間の働きで今後のことは決めましょう」
「ありがとうございます!」
私が満面の笑みでそう言えば、面接官の男性は眼鏡のブリッジをグイッと上げた。
「もちろん、使えなければ即刻解雇させていただきますが」
……しっかりとくぎを刺すのも忘れない面接官。
(もちろん即刻解雇になんてさせてたまるもんですか!)
それ相応にきちんと結果を出して、私は一流の王城メイドになってやるんだから!
……と、決意したのが二年前の話。今の私はというと――。