今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
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 ラウニの目が覚めたとき、部屋は暗かった。ゆっくりと身体を起こして周囲を見回すと、オリベルの姿が見えない。
 魔獣の毒を受けて、ぐったりとしていた彼はどこにいったのだろう。
 慌てて立ち上がると、肩からパサリと毛布が落ちた。
(もしかして、オリベル団長が?)
 落ちた毛布を拾い、それを丁寧に畳んで寝台の上に置く。
 急いで隣の部屋へと向かう。そこは煌々と明かりがついていた。
「ラウニ……目が覚めたのか?」
 彼女の気配を察したオリベルが、すぐさま歩み寄ってくる。
「あ、はい。すみません。眠ってしまったみたいで……オリベル団長、身体の具合はいかがですか?」
「ああ、もう大丈夫だ」
 ぐるぐると肩を回そうとして、「うっ」と顔をしかめる姿を見て、ラウニはくすりと笑みをこぼす。
「無理はしないでください……ところで、今、何時ごろでしょうか?」
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