今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
ラウニは手にしていた追加の書類の束を、微かに隙間があった机の上にドンと置いた。
「オリベル団長。いらっしゃらないのですか?」
茶系統の色調でまとめられた執務室は、落ち着いた雰囲気がある。それでも執務用の机とソファと背の低い本棚が一つ置いてあるだけの単調な部屋。他の執務室と違い、壁に絵画等も飾られていない。こういったところが、オリベルらしさを感じられる。
ソファの前に置かれているテーブルの上もきれいに片づいており、お茶を飲んだとかお菓子を食べたとか、そういった残滓も感じられない。
オリベルは仕事の合間にこのソファで休憩をとる。そして共にお菓子を食べようとラウニを誘うのだ。それがラウニにとって、ここで仕事をする上での楽しみの一つなのだが――。
(オリベル団長、どちらへ行かれたのかしら。まさか、この書類がイヤで逃げ出したとか?)
もう一度執務席に目を向ければ、紙の山がこんもりとできあがっている。
とにかく、オリベルを探そう。といっても、この部屋に隠れることのできる場所はない。
むしろ執務席の下くらいだろうか。そこをのぞき込んでももちろんオリベルはいなかった。むしろ身体の大きな彼がこの下に隠れていたとしたら、隠しきれないはず。
となるとオリベルがいそうなところは、隣の部屋しかない。
「オリベル団長。いらっしゃらないのですか?」
茶系統の色調でまとめられた執務室は、落ち着いた雰囲気がある。それでも執務用の机とソファと背の低い本棚が一つ置いてあるだけの単調な部屋。他の執務室と違い、壁に絵画等も飾られていない。こういったところが、オリベルらしさを感じられる。
ソファの前に置かれているテーブルの上もきれいに片づいており、お茶を飲んだとかお菓子を食べたとか、そういった残滓も感じられない。
オリベルは仕事の合間にこのソファで休憩をとる。そして共にお菓子を食べようとラウニを誘うのだ。それがラウニにとって、ここで仕事をする上での楽しみの一つなのだが――。
(オリベル団長、どちらへ行かれたのかしら。まさか、この書類がイヤで逃げ出したとか?)
もう一度執務席に目を向ければ、紙の山がこんもりとできあがっている。
とにかく、オリベルを探そう。といっても、この部屋に隠れることのできる場所はない。
むしろ執務席の下くらいだろうか。そこをのぞき込んでももちろんオリベルはいなかった。むしろ身体の大きな彼がこの下に隠れていたとしたら、隠しきれないはず。
となるとオリベルがいそうなところは、隣の部屋しかない。