執着魔法使いの美味しい求愛
「ルトヘル、ティルサはいる?」
ティルサの名前が出たところで、ルトヘルは眉をしかめた。
「いない」
「いないって……。どこかに出かけたの? 話を聞きたいのだけれど……」
そう言ってエリンがローブのポケットから取り出したのは、魔宝石である。
「この魔宝石。フレーテン商会で扱っているものなのよ。でもね、正規品じゃない。それは鑑定してわかった」
「どういうことだ?」
「ほら、昨日も言ったでしょう? 盗難品の件よ。どうやら、これ。フレーテン商会から盗まれたものみたい」
それでもルトヘルは知っている。フレーテン商会は、防犯には力を入れている。幾人かの魔法使いと契約をしているのも防犯のためだし、また魔法具によって店の保護もしっかりとしているはずだ。
「だったら、イリスさんに話をしてみるか? フレーテン商会の商会長」
「そうね、可能ならお願いしたいわ」
これでティルサを迎えにいく口実ができたと思ったルトヘルは、エリンと共に馬車に乗った。
ティルサの名前が出たところで、ルトヘルは眉をしかめた。
「いない」
「いないって……。どこかに出かけたの? 話を聞きたいのだけれど……」
そう言ってエリンがローブのポケットから取り出したのは、魔宝石である。
「この魔宝石。フレーテン商会で扱っているものなのよ。でもね、正規品じゃない。それは鑑定してわかった」
「どういうことだ?」
「ほら、昨日も言ったでしょう? 盗難品の件よ。どうやら、これ。フレーテン商会から盗まれたものみたい」
それでもルトヘルは知っている。フレーテン商会は、防犯には力を入れている。幾人かの魔法使いと契約をしているのも防犯のためだし、また魔法具によって店の保護もしっかりとしているはずだ。
「だったら、イリスさんに話をしてみるか? フレーテン商会の商会長」
「そうね、可能ならお願いしたいわ」
これでティルサを迎えにいく口実ができたと思ったルトヘルは、エリンと共に馬車に乗った。