執着魔法使いの美味しい求愛
「じゃ」
 片手をあげて、ルトヘルはサロンを出て行った。
「ティルサ様、大丈夫ですか?」
 バーバラは頬を押さえたまま、動かなくなったティルサの顔を心配そうにのぞき込む。
「あ、はい。大丈夫です」
 ティルサは慌ててカップに手を伸ばし、冷めかけたお茶を一気に飲み干した。
 ――ティルサには、後でたくさんオレの愛を食べてもらうからね。覚悟しといてね。
 その言葉が示す本当の意味は、ティルサしか知らない。


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