執着魔法使いの美味しい求愛
第二章
ルトヘルから彼の誕生パーティーの招待状が届いたのは、あれからすぐのことだった。
イリスが喜びながら、招待状をティルサに手渡してきた。
(お父さんは、ルトヘルと仲が良いから……)
正式に彼からパーティーに招待されたというのに、ティルサの気持ちは晴れない。
「ドレスも宝石も靴も何もかも。ルトヘルくんが準備してくれるそうだ。よかったな」
イリスは、ティルサの頭をくしゃりと撫でた。その仕草は、子どもが可愛くて仕方ないとでも言うかのような温かさが溢れている。
イリスは、何かあるとすぐに、ティルサの頭を撫でる。いくつになっても、成人した今でも、それは変わらない。
幼い頃に母親を失った娘を、彼なりに愛情を注ごうとしている表れなのだろう、とは感じていた。
「では、この日はシラーニ魔法公爵家のパーティーへ出席いたします……」
そう告げたティルサは、イリスの執務室を後にした。
明るい色調の自室に戻ってきても、ティルサの心は晴れなかった。
(嬉しいけど……。ルトヘルは本当に私でいいのかしら……)
招待状を見つめながら、ティルサは呆然と立ち尽くすことしかできない。
そうやって悩んでいても、時間は過ぎ、日は過ぎていく。
イリスが喜びながら、招待状をティルサに手渡してきた。
(お父さんは、ルトヘルと仲が良いから……)
正式に彼からパーティーに招待されたというのに、ティルサの気持ちは晴れない。
「ドレスも宝石も靴も何もかも。ルトヘルくんが準備してくれるそうだ。よかったな」
イリスは、ティルサの頭をくしゃりと撫でた。その仕草は、子どもが可愛くて仕方ないとでも言うかのような温かさが溢れている。
イリスは、何かあるとすぐに、ティルサの頭を撫でる。いくつになっても、成人した今でも、それは変わらない。
幼い頃に母親を失った娘を、彼なりに愛情を注ごうとしている表れなのだろう、とは感じていた。
「では、この日はシラーニ魔法公爵家のパーティーへ出席いたします……」
そう告げたティルサは、イリスの執務室を後にした。
明るい色調の自室に戻ってきても、ティルサの心は晴れなかった。
(嬉しいけど……。ルトヘルは本当に私でいいのかしら……)
招待状を見つめながら、ティルサは呆然と立ち尽くすことしかできない。
そうやって悩んでいても、時間は過ぎ、日は過ぎていく。