執着魔法使いの美味しい求愛

「でも、私。ルトヘルのお屋敷ではたくさんいただいているわ」
「ですが、毎日ではありませんよね？　普段のお嬢様の食事から、ルトヘル様と一緒にされている食事の量も予想がつきます。お腹がいっぱいになってしまったら、それ以上は食べることができませんからね」
　ようするにミルテは、ティルサがお腹の中におさめることができる食事の量を把握しているのだろう。
「それにもかかわらず、お痩せにならず。むしろ、少しずつ体格が良くなってきているのは、もしかしたらお病気なのでは、と思いまして」
「病気？」
「はい。お嬢様が気にしておられたので、私なりにも本などで調べてみたのですが。どうやら、そういった病気もあるようでして……」
　ミルテがティルサのために、そうやって調べてくれた事実だけでも、胸がいっぱいになった。そして、病気かもしれないと言われれば、そんな気がしてくるから不思議だった。
「ありがとう、ミルテ。落ち着いたら、医師に相談してみるわ」
「はい。ですが、医師に相談する前に旦那様とルトヘル様にもご相談なさってください」
「ルトヘルにも？」