執着魔法使いの美味しい求愛
はっと目が覚めたのは、扉を叩かれたからだ。
「はい」
返事をすると「ルトヘル様がいらっしゃっているのですが……」という、ミルテの遠慮がちな声が聞こえてきた。
寝起きであるし、何よりも今は質素なドレス。それよりも、ルトヘルに会いたくないという気持ちが心のどこかにあった。
婚約をしたものの、やはり彼の隣にはふさわしくない。彼にはエリンのような美しい女性で、かつ魔法貴族が相応しいのだ。と、何度も思っていた。
「具合が悪いから、会えないって伝えてもらえるかしら……」
ぎゅっと胸が痛んだ。会いたいけど会いたくない。矛盾する思いが、胸を締め付ける。
「ティルサ、入るよ」
「え?」
扉を開けて、いきなりルトヘルが入ってきた。
「ルトヘル。女性の部屋にいきなり入るだなんて、失礼でしょ?」
「元気そうで安心した」
ミルテはティルサにショールを手渡した。部屋でくつろいでいたため、ゆったりとしたドレスの胸元が大きく開いているからだ。
「はい」
返事をすると「ルトヘル様がいらっしゃっているのですが……」という、ミルテの遠慮がちな声が聞こえてきた。
寝起きであるし、何よりも今は質素なドレス。それよりも、ルトヘルに会いたくないという気持ちが心のどこかにあった。
婚約をしたものの、やはり彼の隣にはふさわしくない。彼にはエリンのような美しい女性で、かつ魔法貴族が相応しいのだ。と、何度も思っていた。
「具合が悪いから、会えないって伝えてもらえるかしら……」
ぎゅっと胸が痛んだ。会いたいけど会いたくない。矛盾する思いが、胸を締め付ける。
「ティルサ、入るよ」
「え?」
扉を開けて、いきなりルトヘルが入ってきた。
「ルトヘル。女性の部屋にいきなり入るだなんて、失礼でしょ?」
「元気そうで安心した」
ミルテはティルサにショールを手渡した。部屋でくつろいでいたため、ゆったりとしたドレスの胸元が大きく開いているからだ。