執着魔法使いの美味しい求愛
 ただの口づけであると思っていたのに、次第にティルサの身体からは力が抜けていくような感じがした。特に、お腹の下側が疼き、腰に力が入らない。
 察したルトヘルは唇を離し、そのままティルサを抱き上げると、ソファへとおろす。
(身体が熱くて、溶けそう……)
 熱を孕んだ目で、ティルサはルトヘルを見上げた。
「ティルサ……オレを誘っているの?」
「え?」
 ティルサには誘っているつもりはないし、何に誘っているのかさえもわからない。
「そういう無自覚なところも可愛いんだけど。罪だよね」
 ちゅ、と音を立てて、ルトヘルはティルサの唇を啄んだ。
「さて。ティルサが痩せるためのお手伝いをしようか?」
 ルトヘルの部屋で繰り返されていたのは、ティルサが痩せるための行為だ。だが、その行為はティルサが思っていたのと少しだけ違う。
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