執着魔法使いの美味しい求愛
それでもルトヘルは、すんすんとティルサの匂いを嗅ぎ続けており、挙句、首元をペロリと舐め上げたため、思わず首をすくめてしまった。
「ルトヘル……」
あまり強く言うこともできないティルサがほとほと困っていた頃、カツカツとヒール音が響いた。
「ルトヘル。離れなさい」
有無を言わさぬ迫力のある声と共に、衝撃が伝わった。
いつまでも婚約者から離れようとしない息子を、ノーラが彼の頭を一発叩いたようだ。
「母さん。あなたはいつまでここに居座るつもりですか? さっさと父さんと一緒に本邸にお戻りください」
「戻れるわけがないでしょう? こんな状態のあなたたち二人をおいて」
「ルトヘル。お義母様には、私もいろいろと教えてもらっているところで……」
どうやら彼は、ティルサがノーラの肩を持ったのも気に食わなかったようだ。
ルトヘルはティルサの腕を掴むと「では、また後ほど」とノーラに声をかけ、エントランスから立ち去ろうとする。
もちろん腕を掴まれているティルサは、彼に連れていかれる羽目になる。
「ルトヘル……」
あまり強く言うこともできないティルサがほとほと困っていた頃、カツカツとヒール音が響いた。
「ルトヘル。離れなさい」
有無を言わさぬ迫力のある声と共に、衝撃が伝わった。
いつまでも婚約者から離れようとしない息子を、ノーラが彼の頭を一発叩いたようだ。
「母さん。あなたはいつまでここに居座るつもりですか? さっさと父さんと一緒に本邸にお戻りください」
「戻れるわけがないでしょう? こんな状態のあなたたち二人をおいて」
「ルトヘル。お義母様には、私もいろいろと教えてもらっているところで……」
どうやら彼は、ティルサがノーラの肩を持ったのも気に食わなかったようだ。
ルトヘルはティルサの腕を掴むと「では、また後ほど」とノーラに声をかけ、エントランスから立ち去ろうとする。
もちろん腕を掴まれているティルサは、彼に連れていかれる羽目になる。