執着魔法使いの美味しい求愛
 ルトヘルは立ったまま、その手でスカートの裾をめくり上げ、太腿の内側をなぞり、足の付け根へとたどり着く。
 ティルサの身体はピクッと震えるが、彼の手を拒むことはしない。
 彼から与えられる快楽に身を委ねていくと、心臓はバクバクと激しく鳴り出す。彼の口づけに答えれば、息もあがってしまう。
「はぁ……。ティルサ。オレは今すぐに君が欲しい」
 ルトヘルの手がティルサの肌を撫で上げる。
「だ、駄目よ。そういうのは、結婚をしてから、でしょ?」
「ティルサはここまでオレを誘っておきながら……。意地悪だな」
 敏感な場所に触れたルトヘルの手に寄って、ティルサは身体から力が抜けてしまう。
 その身体はルトヘルによって支えられる。
「ティルサだって、オレが欲しいんじゃないのか?」
 耳元で囁かれる甘い声色に、ティルサは「バカ」とだけ呟く。
「結婚式までには……。綺麗になって、ドレスを着たいって、言ったじゃない」
 弾む呼吸を整えながら、ルトヘルに訴える。
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