高嶺のパイロットは、秘密の双子とママを愛で倒す~地味な私が本命だなんてホントですか?~
桜とは対照的に沙里はバツの悪そうな表情になる。BBL航空の社長と桜に繋がりがあるとわかり、自分のついたデタラメな嘘がバレないかとヒヤヒヤしているのだろう。
(まぁ、もうとっくにバレているけどな)
「で、では早速、取材に入らせてください」
おそらくプライベートタイムの取材なんて口実だったのだろうが、沙里は一応タブレットPCを出して体裁を整えた。
のんびりした口調で和志が話し出す。
「黎治がどんな人間かを話せばいいんだよね?」
「えぇ。オフのときの彼、パイロットならではのエピソードなんかもあれば」
必死にひねり出したせいか、やや漠然とした質問だ。
「そうだなぁ。黎治はオフのときも、飛行機のことばかり考えてるよ。俺といても、話す内容といえば――」
和志が業界や機体についての専門的な話を始めると、沙里はすぐに退屈そうに視線を泳がせた。それに気づいた桜が助け船を出す。
「和志さんも同じよ。デート中も、私より空ばかり見てるの。ひどいでしょう?」
シュンと身体を小さくして、和志は「そんなことはないと思うけど」と弁解している。
「その点からも、黎治さんと琴音さんは相性バッチリよね!」
桜の弾んだ声に和志もうなずく。
「たしかに! 飛行機バカの黎治に付き合えるのは彼女くらいかもなぁ」
「こ、琴音……ちゃん?」
ムッとしているのを隠しきれない声で、沙里が言う。
(まぁ、もうとっくにバレているけどな)
「で、では早速、取材に入らせてください」
おそらくプライベートタイムの取材なんて口実だったのだろうが、沙里は一応タブレットPCを出して体裁を整えた。
のんびりした口調で和志が話し出す。
「黎治がどんな人間かを話せばいいんだよね?」
「えぇ。オフのときの彼、パイロットならではのエピソードなんかもあれば」
必死にひねり出したせいか、やや漠然とした質問だ。
「そうだなぁ。黎治はオフのときも、飛行機のことばかり考えてるよ。俺といても、話す内容といえば――」
和志が業界や機体についての専門的な話を始めると、沙里はすぐに退屈そうに視線を泳がせた。それに気づいた桜が助け船を出す。
「和志さんも同じよ。デート中も、私より空ばかり見てるの。ひどいでしょう?」
シュンと身体を小さくして、和志は「そんなことはないと思うけど」と弁解している。
「その点からも、黎治さんと琴音さんは相性バッチリよね!」
桜の弾んだ声に和志もうなずく。
「たしかに! 飛行機バカの黎治に付き合えるのは彼女くらいかもなぁ」
「こ、琴音……ちゃん?」
ムッとしているのを隠しきれない声で、沙里が言う。