ズルくて甘い包囲網~高嶺のパイロットはママと双子を愛で倒したい~
「大丈夫、すべて俺に任せておけばいい。楽園に連れていってやる」

 その言葉どおり、彼の腕のなかは温かくて、全身がとろけるような心地がした。生まれたままの姿になった琴音の肌を彼の手がすべっていく。

「いい匂い、甘くてうまそうだ」

 黎治の鼻先が琴音の薄いおなかを撫でる。

「んんっ、くすぐった……い」

 慣れていない琴音の反応が楽しくて仕方ないようだ。クスクスと愉快そうに彼は笑う。

「これも? くすぐったい?」

 下から持ちあげるように乳房をやわやわと揉みしだかれる。長い指がだんだんと上に向かってきて、薄紅に色づく果実をピンと弾く。

「やっ、んっ。へ、変な感じです」

 頭がボーッとして、全身から力が抜ける。それなのに胸元の感覚だけはいやに鋭敏で、彼の指の動きを追いかけてしまう。
 今度は彼の唇がそっと、そこを食んだ。舌先で飴玉のように転がされると、耐えきれず甲高い声が漏れた。

「ふあっ。ダメです、熱くて……ジンジンする」

 胸の上にあった黎治の顔がゆっくりと近づく。琴音の耳元で彼は甘くささやく。

「教えてやる。それは、感じるって言うんだ」

 耳にかかる彼の吐息はまるで媚薬のようで、一枚ずつ琴音の理性をはぎ取っていった。

「我慢しなくていいから。もっと、俺で感じろよ」

 貪るような深いキスと、優しく、情熱的に琴音の身体をかわいがる指先。

 これまで知らなかった琴音の官能が花開いていく。
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