ズルくて甘い包囲網~高嶺のパイロットはママと双子を愛で倒したい~
「オムライシュと~いちごのプリン!」

 元気な凜の答えに、琴音は目を細める。

「それは凜の好きなものでしょ~?」

 ちなみに、いちごのプリンは市販品だ。よく行くコンビニに売っている彼女の大好物。

「ママ、レンもおてつだい! しゅる!」
「リンも!」

「お料理、手伝ってくれるの? パパ、きっと大喜びだね」

 二歳のふたりが危険なく手伝えそうなメニュー、なにがあるだろうか。

「あ、お好み焼きパーティーにしようか! 混ぜ混ぜするところはふたりにお願いしていい?」
「はぁい!」

 ふたり揃って、元気に両手をあげてくれる。

(和食とは言わないかもしれないけど、日本ならではのメニューだからいいかな!)

「よし。じゃあ今から、スーパーにお買いものに行こうか!」

 琴音の提案にふたりは目を輝かせてうなずいた。

 夜十時。スーパーのあとに公園にも行ったので、ふたりは疲れ果てていつもよりずっと早く寝てしまった。

 琴音も一緒に寝てしまってもいいのだが……黎治の操縦する飛行機の無事を確認するまでは寝つけない気がして、
まだリビングにいる。

 ホットミルクをちびちびと飲みながら、彼の連絡を待つ。

 予想よりも十分ほど早く、琴音のスマホが鳴った。期待どおり相手は黎治だ。

「もしもし。無事に帰ってこられましたか?」
『あぁ、予定より少し早く着いた。子どもたちは?』
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