ズルくて甘い包囲網~高嶺のパイロットはママと双子を愛で倒したい~
「はい、もちろんです。蓮と凜と一緒に、お好み焼きを作る予定なので、できたら夕食の時間までには来てもらえると嬉しいです」
『ふたりも作るのか? それは楽しみだな。必ず行く、約束するよ』
「はい、じゃあ明日!」

 明日、沙里のことも彼の耳に入れておこう。彼女がどこまで本気かはわからないけれど、黎治と自分の絆は三年前よりずっと強くなっているはず。

(だから今度は大丈夫)

 そう自分に言い聞かせて、琴音は眠りについた。

 翌日。

 黎治が来てくれるまで、なにをして過ごそうか。そう考えていたところ、タイミングよく姉の乙葉からランチでもしない?との誘いがあった。

 待ち合わせ場所は銀座のショッピングセンター。ちょっとした子どもの遊び場もあるし、子連れにはありがたい場所だ。

「お姉ちゃん!」
「琴音~。蓮と凜も!」

 乙葉は明るい笑顔で出迎えてくれる。

「あれ、光くんは?」

 乙葉のひとり息子の光、一緒に来るのかと思っていたが姿がない。

「お友達と遊びに行くからって、振られた。五年生にもなると、親とはちっとも遊んでくれなくなるのよ~。だから、今日はかわいいふたりに癒やしてもらおうと思ってさ」

 寂しそうにぼやいてから、乙葉は蓮と凜をギュッと抱き締める。

「ランチにはまだ少し早いね。私がふたりと遊んでるから、琴音は買いものとか用事とかあれば済ませてきていいよ」
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