男性不信のお姫様と女性不信の王子様はカボチャ姫を愛す

カボチャ姫御一行カルテア国へ行く


ーーそうして一ヶ月が経ち、カルテア国へと出立する日

「エレノア、準備は出来たか?」

「…… はい」

ドヨーーン。
なんでこんなことになってるのかしら?
ずっと考えていたけど意味不明だわ。
アレクシス王子は確かに私に幻滅して帰ったはず。

「エレノアは何をそんなに沈んでいるんだ? 兄は妹と二人で旅行できて嬉しいぞっ」

ーーなんて能天気な兄なのかしら?
旅行だなんて言っているわっ!!

「それでは父上、母上行って参ります」

「ハリー国王とキャロライン王妃に宜しく伝えてくれ。くれぐれも失礼のないように」

ーーそんなに心配ならお父様とお母様が行けばいいのに……。

「とくにエレノア!! お代わりなんてしてはいけませんよっ!!」

ギックッ、、
結構根に持つわね……お母様。

「大丈夫ですよ。お代わりするのは自国でだけですから!!」

「…… それも何か違うような気がしますが…… まぁいいでしょう。気をつけて行ってらっしゃい」

「はい、では行って参ります。お父様、お母様」

そうしてお兄様と従者のブラッド、そして私と侍女のエマはウェンスティール国を後にした。

⭐︎

 私達を乗せた馬車がカルテア国王都へと着いた。

「おいおい、王都に来る道中も思ってはいたが…… カルテア国がこんなにも繁栄しているとはな。王都は特に街並みも女性も派手だな!! なぁ、ブラッド?」

「そうですね…… ここまで栄えているとは思いませんでしたよ。まぁ女性は派手ではない方がよろしいですが……」

「そうだな。ブラッドはエマのことが…… あっ、しまった…… エ、エマ元気かっ!?」

「 目の前で元気にしております。ジョセフ様」

一体なんの話をしているのよ。
今の流れではまるでブラッドがエマを好きみたいじゃないの……。

ーーえっ!?

もしかして……好きだったの!?
知らなかったわ……。
この勘の鋭い私が……もう長年一緒にいるのに。
ブラッドったら隠すのが上手なのね。
なんだかブラッドとエマが照れ合っている。
二人共顔が真っ赤じゃないの!!

「すまんなっブラッド!! つい口が滑ってしまった。だがお前は隠すのが下手だろう。好きがダダ漏れではないか。それにエマも満更でもないようだしな。もう早く付き合ってしまえば良いではないか」

ーーえっ!?

隠すのが下手って……好きがダダ漏れって……私は全く気づきませんでしたが……。

「エマ…… 私と付き合ってもらえませんか?」

えっ、、
ここで公開告白するのーー!!

「……はい。是非」

えーーっ!!
そしてオッケーなのーー!?
何この状況は……?

「おーーおーー良かったではないかっ、二人共!! めでたい、めでたい!! ハッハハハーー」

ーーお兄様……なんと軽いノリだこと……。

こんな感じでいいのかしら?
何がなんだか分からないうちに異国の地でカップルが誕生してしまったわ。
おめでとう……ブラッド、エマ……でっいいのよね?
二人が笑顔だし幸せそうでなによりよ!!
それにしても……ほんとうにウェンスティール国と正反対ね。
田舎と都会ってとこかしら?
なんだか……どこを見ても派手ね……。
お兄様と同じような感想しか思い浮かばないなんて……私としたことが恥ずかしいわ。
でも田舎から都会へとやって来た私達の感想なんてこんなものよね。

「エレノア様……カルテア国はなんだかとても……派手ですね!!」

「…… エマ…… そうね」

ーーここにも仲間がいたわ!!
私にはウェンスティール国の方が性に合っているわ。
カルテア国の王都に着いたばかりだけど……もう帰りたい気分よ。

「おっ!! これはえらいことだぞっエレノア、見てはいけないものが見えてしまった……」

「どうしたのです……? お兄様」

「王城が…… 規格外の大きさだ…… そして派手だ!!」

えっ……王城が見えたの……?

ドドーーーーン、

「こ、こ、これは…… なんて大きなお城…… そして、そして…… 派手ですわね……」

こんな王城を見せられては尻込みしてしまうのですけど……。

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