男性不信のお姫様と女性不信の王子様はカボチャ姫を愛す

ラブストーリーは突然に①


ーーカルテア国二日目の朝

「エレノアちゃん、今朝のお目覚めはいかがかしら?」

「はい、とてもいいです」

「それは良かったわ。今日はアレクシスに王都にある王室御用達ブティックへ案内するように伝えてあるから好きなドレスを選んでちょうだいね」

「はい、ありがとうございます。キャロライン王妃」

ーー朝からすごい種類のパンが並べられているわ。
どのパンも美味しそーー。

「エレノアはパンも好きだとアレクシスから聞いてな、色んな種類のパンを焼かせたんだ。沢山食べるとよいぞっ!!」

「ありがとうございます。ハリー国王」

ーー恥ずかしいけど……もうバレてしまっているのですから今更少食ぶってもしかたないものね。

「ん〜〜美味しーー!!」

ここのシェフもやるわね。

「我が妹は朝からよく食べるねっ。食べてる時は本当に幸せそうな顔をしている」

ウーーッ、、
そんなことを面と向かって言われると急に我にかえって恥ずかしくなるから余計なことを言わないで欲しいわよっ!!

「エレノアが幸せそうな顔で食べてくれているなら私も幸せですよ……」

「それはそれは朝からご馳走様です!!」

ーーな、な、何を言うのーーアレクシス!!
正気かしら!?

「ゴホッゴホッ……」

ーー今の一言でむせてしまったわ……。

「エレノア大丈夫かい? 何か飲んだほうがいいよ」

「いえ、大丈夫です……」

ーーアレクシス、恥ずかしいから変なことを言わないでもらいたいわ……なんだかすごく恥ずかしいわ。
何かしら……この感じ……。

⭐︎

ーー王室御用達のブティックへ向かう馬車の中

「エレノア、今日はどれでも好きなドレスを選ぶといいよ」

「ありがとうございます」

ーーハンナセレクトのドレスを持ってきているのだけど……でもせっかくのご厚意ですものね。

「エレノアはドレスは何色がいいんだい?」

「そうですね…… 好きな色が青ですから、青色のドレスを着ることが多いかもしれないです」

「エレノアも青が好きなのか? 私と一緒だっ!!」
「そ、そうですわね……」

ーーなんか気恥ずかしいような……変な気分だわ。

「アレクシス王子、私の衣装も見るのですよね? 私の好きな色は聞いてはくださらないのかな?」

「こ、これは失礼いたしました!! ジョセフ王子……」

「ハッハハハーーからかっただけですよ!! あまりにエレノア、エレノア状態なのが面白くってね」

な、な、なにを言っているの……お兄様は……。
余計なことばかり言わないで欲しいわ!!

「ジョセフ王子、これからは私のことはアレクシスとお呼び下さい。エレノアにもそう呼んでもらっていますので……」

「アレクシスがそれで良いのなら、これからはそう呼ぶとしましょう。私のことはお兄さんと呼んでもいいですよ。近い将来そうなるやも知れませんしっ!! ハッハハハハーー」

ーー何を言っているの!!
お兄様っ、呑気に高笑いしてる場合じゃないわよ!!

「そ、そ、それは……」

アレクシスの顔が真っ赤だわ……。
ーー私もなんだか顔が熱いわね。
もうお兄様のせいよっ!!

「それにしても…… この馬車の中はカップルだらけでつまらんなっ……」

ーーカップルだらけって……エマとブラッドしかいないではないですか……!?
ーーえっ!?
私とアレクシスも……。
何を勝手なことを言っているのよーー。
私……今なんだか熱いわ……とっても熱い!!
全部お兄様のせいよっ!!
今すぐ馬車から放り出してやりたい気分だわ!!
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