男性不信のお姫様と女性不信の王子様はカボチャ姫を愛す

ラブストーリーは突然に②


ーー王都にある王室御用達のブティックに着いた

馬車の中ではお兄様のせいでかなり恥ずかしかったわ。
ドレスでも見て気を取り直しましょう。

「ようこそお越し下さいました、アレクシス殿下。どうぞごゆっくりご覧下さい」

「ありがとう。そうさせてもらうよ」

ーーなんだか……どのドレスも私には着こなせそうにないような……。
とても大人っぽいデザインのものばかりだわ。

「エレノア、今見てて思ったのだが…… 艶やかなドレスが多いようだな」

「そうですわね…… お兄様」

ーーそうだったわっ!!
このカルテア国の女性は身なりが派手だったわね。
キャロライン王妃も華やかなドレスだったし……。
しまったわっ、、
ここは都会よ!!
田舎者の私には全く似合わなさそうなドレスばかりじゃないっ!!
どうしよう……。

「エレノア、オーナーに青色のドレスを持って来てもらったよ」

「あ、それはありがとうございます……」

「エレノア様、ご試着されてみてはどうですか?」
「そうね。試着してみましょう!! エマ、着替えを手伝ってもらえるかしら?」

「お任せ下さい。それでは試着部屋へ行きましょう」

ーー試着し終えたけど……ちゃんと確認しなかった私が悪かったわ。
これは……かなり胸元が開いたドレスだったのね。

「エレノアーー!! 試着は終わったのかーー?」

「……はい、でも……ちょっと……」

「どうしたんだ? 着替えたのなら見せてくれれば良いではないか。扉を開けるぞっ」

「ダ、ダメです!! お兄様、開けないでーー」

ーーガチャッ、

開けるなって言ったのにーー!!

「…… エ、エ、エレノア…… そのドレスは……」

ーーお兄様もアレクシスもビックリしているわ……。
そうよね……こんな色っぽいドレスは私には似合わないわよ……恥ずかしい……。

「エレノア、そのドレスは着てはダメだっ!!」

ーーえっ!?
二人して同じことを被せて言っている。
そうよね……私だって似合わないと思うわよ。

「エレノア…… 私がしっかりデザインを確認せず渡してしまって申し訳なかった。エレノアにはそういったドレスを大勢の人の前で着て欲しくない!!」

「そうだぞ、エレノア!! そのドレスは男を誘惑してしまいそうだ。我が妹には少々刺激が強すぎる。やめておきなさい!!」

そうなのね……。
でも誘惑なんかしないわよ!!
私は男性不信なんだから!!

でも……アレクシスはどうしてこのドレスを大勢の前で着て欲しくないと思ったのかしら?
まさかっ、、
ーー私のことを気にしているのかしら?
まさかね……?

「エレノア…… 私が持って来て試着までしてもらっておいてすまないが…… その…… 目のやり場に困るから着替えてきて欲しい……」

「そ、そうですわね…… 着替えてきます」

ーーどうしよう、どうしよう!!
なんだかアレクシスが私を気にしているのかもと思ったら私も意識しちゃって気まずいわ……。
私は一体どうしちゃったのかしら?

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