男性不信のお姫様と女性不信の王子様はカボチャ姫を愛す
私達は様子が変な者同士
この美しく壮観な薔薇園で頂くパンケーキも最高ねーー!!
でも……なんだか目の前にアレクシスがいると落ち着かないわ。
本当にどうなっちゃってるのかしら私。
「エレノア、パンケーキの味はどう?」
「お、美味しいです……」
「それは良かった!! エレノアは私がウェンスティール国の庭園で満月を見て綺麗だと言った時に、その満月がパンケーキに見えると私に言っただろう。あの時のことは今思い出しても笑えるよ!!」
「そうですか…… そんなことを言っていたような気もしますわね……」
ーー確実に言っていたわ!!
今となっては恥ずかしーー!!
ウェンスティール国でアレクシスに見せていたあの姿は紛れもない本当の私の姿だけど……。
今恥ずかしいだなんて思ってしまう、らしくない私がいる。
それもアレクシスに恋をしてしまったせいなのかしら?
「私にとってウェンスティール国でエレノアと共に過ごした日々は大切な宝物だよ!!」
それって……それって……とっても嬉しいわ!!
嬉しすぎるわよ!!
アレクシスッ!!
「…… そうですか」
ーー私のバカっ!!
またそうですかって言ってしまったわ。
私ったら一体どういうつもりなのよ!!
ーーなんて可愛げがないのかしら……。
なんでもっと気の利いたことを言えないの……?
完全に男性不信でろくな会話を男の方としてこなかった弊害が今に生じているわ。
愛想がなさすぎよ……。
悲しいくらいに可愛い女の子になれないじゃないの。
「エレノア、またスカイを呼んであげるよ!!」
「えっ!? スカイを…… それは嬉しいですわ」
「ヒュイ〜」
ーーアレクシスは指笛が上手よね。
あっ、、
スカイがアレクシスの方へと飛んできたーー!!
フフフッ。
スカイがアレクシスの肩に乗った。
本当に賢いわね。
それに何度見てもスカイは美しい青い鳥だわ。
「スカイがいるとエレノアが喜ぶかと思ってね……」
アレクシス……私に気を遣ってくれたのね。
「えぇ、とても嬉しいです!!」
「エレノアの喜ぶ顔を見るためなら…… なんだってするよ…… エレノアの喜ぶ顔が見たいんだ。ただそれだけなんだ……」
ーーアレクシス?
どうしたのかしら……?
神妙な面持ちだわ。
はっ、、
もしかして……さっきから私がアレクシスの話にろくな返しが出来ていないから、それで気にしているのかしら?
それなら私……ちゃんと伝えなきゃっ!!
「アレクシス、私とても喜んでいますよ!! 今こうやって一緒に美しい薔薇園でパンケーキが食べれて…… そして一緒に話もできて…… それにスカイも呼んでくれて…… すごく喜んでいます!!」
ーーちゃんと伝わって欲しいわ。
私がとても今……幸せなこと。
「そうか…… それなら嬉しいよ」
ーーちゃんと伝わったのかしら……?
「アレクシス…… 大丈夫ですか?」
「エレノア…… 大丈夫…… いや、大丈夫じゃないのか…… どうすればいいんだろうね」
「………。」
なに……?
何が大丈夫じゃなかったのかしら……?
どうすればいいのだろうとは……?
何をどうすればいいのかしら……?
全く意味不明だわ!!
ーーさっぱりわからないわ!?
アレクシスもたまに様子が変なのよね。
でも今は私も恋に落ちてしまって……相当様子が変になっちゃってるわよ……。
ーーどうしよう!!
大変よっ!!
ーー私達は様子が変な者同士じゃないの!!