男性不信のお姫様と女性不信の王子様はカボチャ姫を愛す
カボチャ姫の印象はいかに……
先程のディナーの際のエレノア姫はなかなか面白かったな。
普段女性の動作に一切興味の無い私だが……目が離せなかった。
今思い出しても笑えてくる……フフッ。
まさか、ステーキをお代わりするとは……。
馬車から降りて対面した際は、やはりローズ王妃とエレノア姫の顔はカボチャであった。
カボチャ顔だとどんな様子であったのかがさっぱり分からない。
リチャード国王とジョセフ王子には笑顔で出迎えていただいたが。
ローズ王妃はカボチャ顔でも話せば人柄の良さが伝わる方であった。
エレノア姫は挨拶を交わした時の感じは大人しそうな印象を受けたのだが……。
全く違ったようだ!!
ーー実に興味深いカボチャ姫だ。
今日のために色々と着飾ってくれていただろうが。
なんせ顔がカボチャだ……。
どんなに着飾っていても申し訳ないが滑稽に見えてしまう。
だが馬車から降り、すぐさま私の視界に入ってきたエレノア姫のプラチナブロンドの髪は素晴らしく綺麗であった!!
あの髪色をしているのはエレノア姫だけであったから余計に際立って綺麗に見えたな。
あの時エレノア姫はどんな表情で私を迎えてくれていたのであろうか?
ディナーの際はどんな顔でステーキを食べていたのだろうか?
きっと、お代わりするくらいだ……幸せそうな顔で食べていたに違いないなっ。
そういえば先程部屋へと戻る際にエレノア姫から明日は軽装でお願いしますっと言われたが。
何故なんだろうか……。
謎だな?
ーーコンコン、
「アレクシス様、お部屋にいらっしゃいますでしょうか?」
「エドモンドかっ、入れ」
「失礼いたしますぞ…… フフフ」
な、なんだかエドモンドの顔がニヤついているように見えるが……。
どうしたんだ?
「アレクシス様!! よーーうございましたねっ。エレノア姫は麗しい姫ではないですかっ!!」
ーーそうなのか?
それが分からぬのだが……。
「キラキラ光るプラチナブロンドの髪にアクアマリンの宝石のように綺麗な瞳!! アレクシス様もさぞーー喜ばれてるだろうと思い冷やかしに来たのですよ」
「主人を冷やかしに来るとは…… とんでもない従者だな!!」
ーーそうかエレノア姫の瞳の色はアクアマリンの宝石のようなのか……ということは青か。
それはどんな色みの青なのだろうか……。
見てみたいような……。
「アレクシス様!! この縁談を速やかに進めるためにも明日二人っきりになられて話される際にはエレノア姫の心をしっかり掴むのですよ!!」
「ああ、そうだな……」
ーーそうは言っても表情も分からない相手の心をどうやって掴めというのか。
まあ明日は今日よりゆっくり話せるだろうから人となりくらいは少しは分かるだろうか……。